pdweb
無題ドキュメント スペシャル
インタビュー
コラム
レビュー
事例
テクニック
ニュース

無題ドキュメント データ/リンク
編集後記
お問い合わせ

旧pdweb

ProCameraman.jp

ご利用について
広告掲載のご案内
プライバシーについて
会社概要
スペシャル

新世代デザイナーのグランドデザイン


●CMFとコンピュテーショナルデザイン

−−RhinocerosやGrasshopperなど最先端のコンピュテーショナルデザインツールを提案されている中島さんが、玉井さんに注目されたのは何故ですか?

中島:玉井さんには私の方からアプローチさせていただきました。2013年の秋、渋谷のFabCafe Tokyoで玉井さんのセミナーを拝聴し、デジタルとCMFで何かできませんかねとお話しさせていただいたのがきっかけでしたね。

CMFという言葉は知っていました。以前より表面加工をNURBSのジオメトリをシミュレーションして表現したいという話がありまして、Grasshopperというコンピュテーショナルツールで、表面処理の形状を作るというのが私のアプローチとなります。その表面処理にどういったマテリアル、カラーでCMFを施すかは玉井さんに委ねています。

−−アプリクラフトさん側からFEEL GOOD CREATIONさんへのアプローチということですが、このコラボレーションの具体的な目標はなんでしょうか?

中島:1つはデジタルツールを普及させたい、その手段の1つとしてCMFがあるということです。以前、Rhinocerosのユーザーさんから「これからはフィニッシングだよ」という話をいただき、私もその重要性には気づいていました。ですからデジタルで生成した表面処理を生かしてくれるパートナーとしてFEEL GOOD CREATIONに注目しました。

−−両社はデジタルとアナログ、ある意味対極ですよね。

玉井:正直、ポリゴン、ジオメトリと言われても分からなかったですし、今もおそらくよく分かっていません(笑)。ただ、ホンダの最後の仕事で、従来金型のロールでエッチングしてつけていたシボを、日本で初めて、シリコンにデジタルシボを彫り込んで転写する方法を用いました。その時に金型でできなかったことが簡単に実現できて、デジタルでテクスチャーを作ることに大きな可能性を感じました。職人さんたちが長年築き上げてきた手法がデジタルで一瞬で変わるところを体験したのです。

ですからこれからはCMFもデジタルを取り入れないといけないと思っていました。中島さんのGrasshopperの話にはすごい期待感を持ちました。もちろん職人さんたちの技術はこれからも継承していかなければいけませんが、一方でデジタルの可能性にも関わっていきたい。そこでまず何か一緒にやってみようというところからスタートしました。

中島:コンピュータでは何度でもシミュレーションできますから、出てきた結果を選んでテクスチャーにするというアプローチが考えられます。例えば曲面を分割してそこにさらに曲面を割り当てるようなデザインを考えた場合、100×100で分割しても面白くない、では113×117位で分割したら面白いような気がする。それを確認するため、例えば50×50の分割から、150×150の分割をしてみよう。その分割の組み合わせは、約10,000通りです。その作業をコンピュータにやらせて、その中の数パターンを選ぼう…こういったことが一瞬で行えるわけです。

デジタルでパラメトリックにシミュレーションすると、人のイメージを超えたとんでもないイメージも生成できます。そこでまたインスパイアされてと…そういう工程がコンピュテーショナルデザインの最大のメリットだと思います。

−−コンピュータによる成果物は頭の中のイメージを超える、出てきたものを人間が評価するということですね。

中島:そういったわけで、ともかく両社で何かやってみようとしましたが、最初ぜんぜんかみ合わなかったですね(笑)。

玉井:そうですね、今もちょっと私としては自信がないのですけれど(笑)。いままで行ってきたデザイン手法がコンピュータにすべて置き換わるかと言ったらそうでもない、ただ中島さんがおっしゃるように、できなかったことができるようになる。

●FEEL GOOD CREATIONとアプリクラフトのコラボの目的

−−具体的な目標はどういったモノ、ビジネスになるのでしょうか?

中島:2014年2月に両社共同でセミナーを開きましたが、そこではまだ模索段階で、どうやっていこうかという経過発表に留まっています。成果物を作る際にデジタルツールをどう使えばいいか、その結果に対してどうマテリアルを反映すればいいか、いままでの手法では絶対できなかったモノを生み出すことができれば、それがコラボレーションの成果になると思います。

今後デジタルツールが、CMFに対して何ができるかといえば、曲面形状モデリングを生成するアルゴリズム、あるいは自然界の水の流れ、雲の流れなど2次元パターン生成がまず直近で必要なのかと思っています。そういったパターン生成プログラムを作っていきたいと思っています。それからさらに3次元のアルゴリズムでいろいろな形状ができれば、CMFにとって使えるツールになるのかなと思います。

玉井:まだ具体的なモノとしてはイメージできていないです。私はデジタルツールを使って作品を作りたいわけではなく、CMFデザインは目的ありきですので、目的によって変わってきます。そういったシミュレーションレベルにおいて、デジタルツールによって、いままで絶対に知りえなかったことを知ることができるというのは可能性を感じています。そういうトライアルだと思っています。

−−具体的なワークフローや成果物に落とし込む話ではないのかもしれませんがが、ただ、単純な話、2014年10月の青フェスで展示されていた、3Dプリンタの出力物に表面加工を施したモデルなどは、十分両社のコラボによる成果物だと思いました。

玉井:そうですね、デジタルツールを使ってアウトプットしたモノへの仕上げというのは、いままで一切なされていなかったので、それも正にCMFデザインだと思います。

−−3Dプリンタの出力物にCMFを適用すれば、一歩進んだ試作モデルができますね。

玉井:試作モデルにとどまらず、今後3Dプリンタの出力物は最終製品になってくる可能性は高いです。そうなれば、確実に仕上げが必要なので、CMFがセットになってくると思います。

−−3Dプリンタによる、金型ではできない形状+CMFには期待したいですね。ビジネス的な規模も大きい可能性を秘めていると思います。最後に今後のCMFの展開をお話ください。

玉井:いままではCMFデザインを知っていただくことが重要でしたので、そこに注力していました。

今後はいままでCMFに予算を割いていなかった業界などにアプローチしていきたいです。例えば技術メーカーさんには、それぞれ独自の技術を用いたサンプルを用意されているのですけれど、そういったサンプルをCMFによってきれいに見せる仕事を行っています。技術サンプルにデザインの視点を加えることで、分かりにくかった技術力をより魅力的に伝えることができるので、技術メーカーさんの市場開拓に有効なツールとなっています。

それと今は個人レベルでCMFデザインを利用できる仕組み作りから展開できないかと考えています。FEEL GOOD CREATIONではそれらの活動を総称して「CMFデザインリンク」と呼んでいます。

−−ありがとうございました。

※NURBSとジオメトリ:NURBS(ナーブス)とは主なCADやCGで使用されている数学的形状表現のこと。数学表現で定義された3次元形状を、3角形や4角形等の多角形の集合で表現されるポリゴンに対してジオメトリと呼ぶことがある。

[1] [2]



アプリクラフトのコンピュテーショナルデザインツール「Grasshopper」の編集画面。5次の3次元カーブを、回転角度変化させながら配置し、曲面を生成し、面積に応じて分割数を変化させてモデリングしたランプシェードの例。曲面上に再分割されたサーフェスには、凹んだ形状をモーフィングして配置し、上部の凹みを大きくし、底に向かって凹みが“0”になるようにコントロールしている。回転の数、回転角度の変化、再分割の数、凹みのパターンは、すべてシミュレーション可能で、この組み合わせによる形状パターンを、3次元カーブを変化させることを考えれば“無限”ともいえる。(クリックで拡大)





2014年10月に行われたFEEL GOOD CREATIONによる日本で唯一のCMFの展示会「青フェス」の展示から。3Dプリンタの出力モデルにCMFが施されている。用途によってはそのまま製品化が行えるクオリティだ(クリックで拡大)












Copyright (c)2007 colors ltd. All rights reserved