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▲写真1:オリンパス「AIR A01」33,800円(税別)。14-42mm EZ レンズキットは49,800円(税別)。ボディ、Air Coupling、USBケーブル(microB)、Air Strap付属。(クリックで拡大)

今、気になるプロダクト その48
デジカメとは何だろう?
オリンパス「Air」をめぐって


納富廉邦
フリーライター。デザイン、文具、家電、パソコン、デジカメ、革小物、万年筆といったモノに対するレビューや選び方、使いこなしなどを中心に執筆。「All About」「GoodsPress」「Get Navi」「Real Design」「GQ Japan」「モノ・マガジン」「日経 おとなのOFF」など多くの雑誌やメディアに寄稿。


●「Air」というデジタルカメラ

デジタルカメラは、昔からあったいわゆるカメラとは、まったく違うものなのだなあということを改めて認識したり、では、デジタルカメラとは何なんだろう、ということをつい考えてしまったり。オリンパスの「Air」を使っていると、ずっと、そういうことが頭の中をぐるぐる回り続ける。

「Air」本体は、早い話が、レンズマウントができるMOSセンサーとシャッターだ(写真02)。そこにMicroSDカードが入れられるスロット(写真03)とか、三脚穴とかが付いている。レンズとスマホやタブレットがなければ、デジカメですらない。デジカメの核となる部分を抽出して、外部とのインターフェイスを豊富に用意したモノ。ソニーの「レンズスタイルカメラ」が、それでも単体で「デジカメ」であったのとは似ているようでまったく違う。

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▲写真2:16M Live MOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「TruePic Ⅶ」。1/16,000秒の超高速シャッターも装備している。(クリックで拡大)



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▲写真3:背面にはMicro SDカードのスロット、USB端子、Wi-Fiのオンオフスイッチがある。(クリックで拡大)






●次のステージへの実験?

まず、この「AIR A01」は、普通のデジカメではないということ。レンズを付けて、スマホと接続して初めてカメラとして機能するように作られているのだ。だからまず専用のWi-Fiでスマホやタブレットとつなぐ必要がある(写真04)。そのため、iPhoneを他のネットワークにつないで使っている場合、まず、それを切り替えなければならないし、撮影用のアプリ内でネットの使用が必要な場合、Wi-Fiタイプのタブレットだと、アプリの機能が制限されてしまうなどの注意点がある。「普通に使う家電としてのデジカメ」とはまったく違うのだ。使っていて感じるのは、言葉通りの意味で、とても「実験器具的」だということ。操作のすべてが、実験の手順のようなのだ。

ただ、その「実験」が楽しいのも確かだ。一旦、iPhoneなりiPadとつないでしまうと、そこから先は、かなり自由度が高いデジカメになる。もちろん、片手でiPhoneを操作しつつ、もう片方の手で「Air」を被写体に向けて、しかも画面はiPhoneで確認しなければならないのは、慣れないと、どう持っていいかよく分からなくなる(写真05)。でも、ちょっと慣れてくると、その画角の、構図の自由度の高さに驚くことになる。ただ、その驚きは、もうレンズスタイルカメラやカシオの「Exilim FR10」、Apple WatchとiPhoneの組み合わせなどで、当たり前に、よりスマートに実現していることで、Airでなければならないということはない。それはそうで、そのようなことはAirができること、その1でしかないのだ。

例えば、ハッセルブラッドも本体はただの筒だ。そこに、レンズとフィルムバックとファインダーが付いて「カメラ」になる。くっつくモノによって写真が変わるのもAirと同じ。でも、ハッセルブラッドで写真を撮っても実験をしている気分にはならない。手持ちでは撮りにくいという点では似ているかもしれないけれど。多分、デジカメは「写真を撮る」ことが目的の装置というわけではないのだ。物理的にフィルムに「感光」させる「写真」と、補正が前提になった光のデータ化である「デジカメ」は、装置としての目的がまったく違うのだと思う。

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▲写真4:接続設定や初期設定、撮影、他のアプリへのランチャーなどの機能を持つアプリ「OA.Central」は、Airへの入り口的なツール。まず、このアプリと接続して使用を開始する。(クリックで拡大)



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▲アプリ一覧を表示。(クリックで拡大)




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▲写真5:もちろん、こんな風にスマホを背面に取り付けるためのユニットも付属している。(クリックで拡大)






●「作品」も「記録」も

プロ用の一眼レフデジカメは、デジカメという装置を、できる限り「写真」を撮る装置に近づけようとしたものと考えれば、コンデジに搭載されたさまざまな「便利」が搭載されないことにも説明が付く。一方で、コンデジやスマホのカメラは、どんどん「写真」から遠ざかり、「記録」や「状況の保存」という方向での「便利」へと進んでいる。もちろん、それはコンデジでは「写真作品」が作れない、という話ではなく、「写真作品」は、アナログカメラの時代でも、コンパクトカメラやポラロイドカメラ、110カメラなどでも、それぞれのカメラの機構と、そこから得られる質感などを活かした作品は生まれている。単に、用途の違いというだけのことだ。

オリンパスの「Air」は、そんな「デジカメとは何であるか」という、意外に忘れられていた問いを、ユーザーとともに考えようとしている製品に思える。例えば、Air用のアプリは「OA.ModeDial」(写真06)という、デジタル一眼的な操作でAirをコントロールできる。これを使うと、筆者が愛用している「オリンパス PEN E-P3」とほぼ同じ画面操作で写真が撮れるので、これをiPad miniで起動して、Airは三脚に取り付けて物撮りをすれば、撮影前にも大きな画面で細部を確認しながら撮影して、撮った写真はその場で大きな画面で、しかも拡大縮小もしやすい状態でチェックできる(写真07)。「使える」という基準で言うなら、これは筆者にとっては「使える」ということになる。幸い、普段マイクロフォーサースのレンズを使っているため同じものをAirで使えるという違和感のなさも「使える」を後押しする。

「Dual Camera」(写真08)というアプリは、接続したスマホやタブレットのカメラとAirを同時にコントロールして、1枚の写真の中に2つのカメラが同時に撮った画像を並べてくれる。だから、物撮りの例で言えば、正面からと側面からの画像を一度に撮影して、1枚の画像に収めてくれるというわけだ。これは面白いけれど、筆者の仕事では使えない。でも、そんなカメラもAirなら作れるということで、それがまた実験っぽい。そして、この2つの例で分かると思うけれど、Airは「写真を撮る装置」にも、「記録を撮る装置」にも、アプリ次第で変身できる。それだけ「Air」は素材だということで、実験っぽいのも当たり前なのだ。

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▲写真6:ミラーレス一眼などと同じ操作で、露出やピント、ホワイトバランスなどを設定できる「OA.ModeDial」。背面にスマホを装着して、このアプリで撮影するのが、もっともスタンダードな撮影方法だろう。(クリックで拡大)



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▲写真7:iPad miniとAirを組み合わせて、大きな画面で確認しながらの撮影。(クリックで拡大)



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▲写真8:アプリ「Dual Camera」は、このように、iOSのカメラとAirを同時にコントロール。2つのカメラそれぞれの写真を1枚の画像ファイルにしてくれる。1つの製品の側面と正面が並んだ写真などが簡単に撮れる。(クリックで拡大)



他にも、提供されているアプリでは、画面上のタッチで撮影時にリアルタイムに色相のバランスを変えられるもの(写真09)や、用意されたフレームの中に入る写真を次々と撮っていけば、1つのストーリーができあがるもの(写真10)、撮影した複数の動画をイメージビデオ風に自動編集してくれるもの、撮影した写真の一部を拡大したり、トリミングしたり、色相を変えたりして、1回のシャッターで撮った画像を6通りの写真にしてくれるもの、リアルタイムにアートフィルターを試しながら撮影できるアプリ(写真11)など、どれもが、まるで雑誌の付録の科学実験のような、実際に使えるかどうかはちょっと微妙で、でも、その操作や結果の確認がとても楽しいモノになっている。
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▲写真9:撮影中に、画面上の色相環をタッチして、好きな色相で撮影できるアプリ「OA.ColorCreator」。(クリックで拡大)



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▲写真10:さまざまなフレームから選択して、フレームごとにシャッターを切って複数の写真をリアルタイムで組み合わせて1枚の画像にするアプリ「OA.PhotoStory」。右の写真が仕上がりイメージ。(クリックで拡大)



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▲「OA.PhotoStory」による仕上がりイメージ。(クリックで拡大)



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▲写真11:アートフィルターと画面効果を組み合わせながら、撮影結果をプレビュー。これだと思った設定で撮影できる「OA.ArtFilter」。(クリックで拡大)










●標準ズームレンズもスゴい!

多分、木工工作でAirを固定する木箱などを作ったりすると、さらに実験は楽しいものになると思うし、Air自体は、そういう本体の外側も自由に作れと言っているような気がするのだ。レンズのような円柱状で、凸凹が極端に少ないデザインになっているのは、そういうことだろう。アプリで内部を、工作で外部を作って、画像を記録する装置でどれだけの可能性を広げることができるか。それがAirを使うということだし、それが「デジカメ」の未来を考えるということなのだと思う。だからAirを使っているとワクワクするのだ。

余談だが、このAir用に作られたかのような、オリンパスの標準ズーム14-42mm f3.5-5.6のレンズ(写真12)は本当に凄い。この光学3倍ズームのレンズが未使用時は単焦点のいわゆるパンケーキレンズと呼ばれるレンズと同じくらいの高さしかないのだ。このサイズなら、Airのコンパクトさをスポイルしないだけでなく、PENシリーズのようなミラーレス一眼に着けた時に、どうかするとポケットにも入る程度のコンパクトさになる。従来の同機能のレンズの1/3の薄さなのだから。ミラーレス一眼の中途半端な立ち位置も、こういうレンズがたくさん出てくれば、自由度が高い高機能コンデジとして見直されるのではないかと思う。

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▲写真12:レンズキットを購入すると入っている「14-42mm EZ レンズ」。この薄さは驚異的だし、このレンズとの組み合わせでAirのコンパクトさが際立つ。(クリックで拡大)















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