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▼2013年12月1日
●7月の編集後記でお話した牛乳パックを原料にした再生段ボール「milca」を使ったいろんなプロトタイプを大阪のデザインイベントでお披露目をした。わたしの中で紙で出来ているこのmilcaとステンレスを使ったPrimarioは「等価」というか同じような気持ちでデザインしている。共通しているのは「金型」がいらないところにある。長くプラスチックの成形品とつき合ってきたが、ここにきて初期投資がいらない。固定費がかからないものの「自由さ」にすっかり面白さを感じている。金銭的な面もあるが同時に「時間」からも開放される。スケッチをして相手に送ると早いもので「数日」でそれが実際のものになって出来上がる。つまりデザイン事務所の中に「試作メーカー」があるような感覚でデザインをしている。ゆえにここ数年簡単な模型ですら自分で作っていない。これは相当なデザインプロセスの「変化」だろう。(アキタ)

●いよいよリコーの全天周カメラ「THETA」が、日本国内でも発売開始された。ユーザーコミュニティでは、いかに自分が映らないパノラマイメージを撮るかという観点から、いろいろな自作アクセサリが試されている。自分にも1つアイデアがあるので、時間を見つけて試してみる予定だ。(K.O.)

●大学祭が終わるとあっという間に11月が終わり、来年度の準備が本格化。AOや推薦、編入などの一般以前の入試が毎月のようにあり、さらに、センター試験のための担当教員監督オリエン。そこに予算請求やシラバス執筆、特講のゲスト講師へのアポイントなど…。毎年のことだが、師が走る姿を鬼が笑う。(クラマサ)

●最近秋田に出張することが多い。クライアントはTDK発祥の地、にかほ市にある。TDKの業績不振のおかげで、にかほの下請け業者は壊滅的とのこと。街の様子も活気がないと言うよりあきらめムードが漂っている。今TDKの工場内は最近はやりの野菜工場になっているそうだ。私のクライアントも植物工場の研究に乗り出した。確かに今の日本の農業は問題だらけだと思うが、自然から隔離して育てることに違和感を覚えるし、モノ作りの拠点が次々と野菜工場になっていくのを見ていると、何か違う気がしてならない。私だけだろうか?(芝)

●11月初めにジャカルタを訪問する機会に恵まれ、市内で行われたインドネシアのプロダクトやインテリアデザイナーらのイベント「pasar desain 2013」にてワークショップを行いました。人口が2億3千万になるインドネシアは、1万数千を越える大小の島々からなる赤道をまたがる国。ジャワ島に位置する首都ジャカルタは、高層ビル、巨大なショッピングモール、激しい渋滞に今後の地下鉄の開発計画など…エネルギッシュに加速する東南アジアが実感できました。加えて多様な民族と文化が同居します。彼らが発してくるデザインには今後も注目したいと思います。(ナカバヤシ)

●スワン電器の「Mira」という全長19cmの小さなLEDデスクライトがあって、これが使っていてとても快適。照らしたいものと自分の目の間に照明機器があって、必要十分の光で見やすく照らしてくれる。この快適を実現している大きな要因は、LEDライトは熱くならないから光源が身体の近くにあっても構わない、という認識。そのアイデア1つで実用的なデスクライトが一気に小型化して機動力も上がる。問題は、あまりにも今までの常識から外れているから、実際に使ってみないと良さがピンと来ないことだが、そこは、5,250円と安価なので、買ってみて欲しいと思う。(納富)

●先シーズンからの懸案事項だった、冬の防寒対策。今年はまた一段と寒さが厳しいとの予報も出ていて、春には消費増税も控えている・・・ということで、結局一番持っていて愛着が沸き、かつ便利だな〜と感じたロロス・ツイードの毛布を追加購入してしまいました。数年前に購入したものは、ノルウェー本国で定番になっているバウムクーヘン柄だったのですが、今回はガラス工芸作家のイイノ・ナホさんがデザインした2013年限定版を購入。イイノさんがノルウェーを旅して出来たデザインなのだそうで、通常の繰り返しパターンではなく、遠近法を使って遠方からヘラジカが近づいてきているように見える柄になっています。躍動感がありつつシックでシンプルなデザインは、日本人ならでは? 今シーズンの冬も、ロロス(と湯たんぽ)で暖まります!(野々村)

●みなさんお待ちかねだと思いますが「pdwebデザインコンペ2013」の大賞発表、もう少しお待ちください。
さて現在、編集部では2014年2〜3月発売予定の年鑑ガイドブック「デザイナーズFILE2014」の制作進行中です。ご存知のように本書はプロダクトデザイン中心のガイドブックですが、今年から「建築」も加え、”立体デザイン”に関わるデザイナーの皆さんを一望できる内容にパワーアップしています。
ところで、「立体」の英語には「Solid」、「3D:three-dimensional」あるいは「cubic」などがあります。平面デザインには「グラフィックデザイン」という馴染み深い言葉がありますが、立体系の場合は「ソリッドデザイン」「3Dデザイン」「キューブデザイン」となるのでしょうか。あるいは「オブジェクトデザイン」「シングス(things)デザイン」…いずれも”口紅から機関車まで”を包括する言葉としてはどこか物足りなさを感じます。何かいい言葉はないものでしょうか?(森屋)


▼2013年11月1日
●私事で(まあそういう事を書くところですが)先月の後記でお話したCEATEC という展示会に出品した「固体化水素燃料電池」が「CEATEC AWARD」のコアテクノロジー部門でグランプリを受賞した。その賞は技術の先進性と可能性の高さが評価されたのであって「デザイン賞」というわけではないけれど、「技術を見えるカタチにする」という意味ではデザインは重要な要素だったと思っている。もうひとつ意義を感じたのは10数年前にはプロトタイプデザインが大いにもてはやされたが、今年の展示を見る限りそういう模型をあまり見ることができなかったので時代にあってプロダクトデザインの大切さを少しはアピールできたかと思っている。(アキタ)

●日本の3Dプリンタメーカーが、クオリティや、プロの仕事に使える性能にこだわる気持ちは良く分かる。しかし、その間にもアメリカでは、子供たちにモノ作りへの興味を持たせるための原動力となりうる、低価格製品の発表が相次いでいる。政府は、クールジャパンの核にアニメやゲームを据えているが、子供たちが受け身になりがちな分野よりも、モノ作りの楽しさが分かるような教育につながる施策を行うべきだろう。(K.O.)

●ノートPCを所有するようになってから、それはずっとIBMのThinkPadだった。会社のワークステーションもIBMにこだわっていた。しかし、Lenovoになってから買ったデスクトップPCの出来の悪さにがっかりして、以来ノートはVAIOになった。ところが最近妻がノートをThinkPadに買い替えた。いわゆるウルトラブックと言うやつだが、最新のVAIOに比べて2周りぐらい大きくて重い。しかし側で見ていると、何かしら良く思えてくる。あのキーボードのタッチも健在である。ThinkPadにはまだIBM時代のスピリッツが受け継がれているようだ。(芝)

●このところ、高さ20cmくらいのコンパクトなLEDデスクライトを試用している。それで気が付いたのは、キーボードや筆記時に必要な照明は、手元だけを照らしてくれる方が、影もできにくいし、目も楽だということ。要は、照射角度で、頭上から照らすというスタイルを見直しても良いのではないかと思った。熱をあまり放出しないLEDライトの場合、手元近くで照らされても作業の邪魔にならないのだ。そして、輝度もそれほど必要としない。そういう環境ごと変えるような製品は、使っていて楽しい。(納富)

●日本でもここ数年すっかり定着してきた感のあるハロウィン。私もベリーダンスのクラスで仮装して踊ったりはしていましたが、今年は東急ハンズのイベントで、衣装もメイクもバッチリの「魔女ゾンビ」でハロウィンイベントを満喫してきました! 歌舞伎やバレエなどの舞台メイク用品で有名な三善さんの協力のおかげで行われたこのイベント、さすがに本格的で、すっかりメイクが仕上がって新宿店内を練り歩いたときには、こどもの中には泣き出してしまう子も・・・。まあでも、おばけ冥利に尽きるというもの。来年は日本のおばけにも挑戦してみようかな?(野々村)

●今年もpdwebデザインコンペにご応募いただきありがとうございます。意欲作をお送りいただいたデザイナー、学生のみなさん、お疲れ様でした。これから応募作品を整理して、エントリーページの制作に入ります。アップまで少々お待ちください。それと、毎年恒例の年鑑書籍「デザイナーズFILE2014」の制作にも入っていきます。そして、来年の企画などもボチボチ検討しています。12月にはいろいろ告知できると思います。お楽しみに!(森屋)


▼2013年10月1日
●たぶんこの後記が掲載されるタイミングで、幕張メッセで開催される「CEATECJAPAN」で、手がけた「燃料電池」のデザインモデルが展示されているでしょう。CEATECと聞いて馴染みのない方も「エレクトロニクスショー」といえばピンと来るかもしれません。家電を中心とした「エレショー」とコンピュータ関連の「データショー」が2000年に統合してして誕生したのが、CEATECです。「オーディオフェア」「エレクトロニクスショー」「モーターショー」この3つが、家電メーカーに属していたときの大きなイベントでした。そんな「メカマニア」な展示会に通っていたわたしも、今は「インテリアライフスタイル」や「ギフトショー」を観に行き参加しているので、随分「ソフト」になったものです。それが今度は次世代エネルギーの燃料電池や医療の最先端である検査システムのデザインでまたCEATECに戻ってきたのは、また時代がそこから動いているという感じがします。(アキタ)

●FabCafe TokyoのFabスターターズガイドも、4回目を終えて折り返し地点。手元には、渋谷の宮下公園の階段の手すりの欠け部分に当てはまる3Dプリントされた指や、バルカナイズドファイバー製のマガジンラックなど、課題ごとに自らデザインした作例がたまってきた。現在のテーマは「ちょっと未来のパーティグッズ」。日本人が苦手とするパーティでのコミュニケーションを活性化させる(はずの)アイテムを、レーザーカッターとデジタルデコツール(カッティングシートカッター)を使って作っている。(K.O.)

●遅めの夏休みをとって岡山方面を旅行した。夫婦して特に行きたかったのは備前である。伊部駅舎の2階に展示販売コーナーがあり、備前の殆どの作家の作品が展示されている。妻が特に気に入った作家の湯飲みの数が揃わず、事務所から作家に連絡してもらい直接お宅に伺うこととなった。ひとしきり見て希望のものを購入し、作家宅を後にしたのだが、なぜかその作家の顔に懐かしさを感じた。後日会った旧友に話をすると大学の同級生だったことが分かった。科が違うのでそれほど交流があったわけではなかったが、不思議なめぐり合わせである。彼の学生時代のあだ名は「備前焼」だった。(芝)

●「math is everything!(全ては数学だ)」との主題で描かれる米国テレビドラマ『NUMB3RS』のシリーズををhulu.jpで視聴した。今更ではあるけれどこのドラマのファンになった。邦題は「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」。原題は「E」はストーリーを暗示するかのように数字の「3」に置き換わっている。キャストや脚本も好みだったが、視聴しながら「design is everything!」だな…と再認識。モノゴトの見方は、その筋の専門であるほどその流れで見て、語ればいいのだ。(ナカバヤシ)

●今年も手帳の記事をたくさん書く季節がやってきました。基本、とてもパーソナルなもので、パーソナルではない部分はGoogleカレンダーとスマートフォンがカバーして、紙の手帳は、ますます個人的なツールになっています。むしろ、重要なのは使いこなしやレイアウトではなく、インターフェイスが自分に合っているか、というあたり。となると、インターフェイスを取り換えられるシステム手帳が、また流行るのかも知れません。そんなことを考えた電子本、高畑正幸、舘神龍彦、納富廉邦の鼎談をまとめた「手帳術って何だ?」(電子書籍モールwook「Bun2コーナー」にて500円+税)発売中です。(納富)

●今月の前半は、自分への誕生日プレゼントを何にしようかと頭をあれこれ悩ませていたのですが、やっと「これだ!」というものに出会って心が晴れ晴れ。ミナ・ペルホネンが図案を描き足した、特別仕様のリサ・ラーソンのキツネさん!  コレです。ずっと高値だったのですが、ここ最近一気に値下がりしてお手ごろ感が増していたこともあり、目が合った途端、うちに連れ帰ることに決めました。誕生日当日は今年偶然仲秋の名月と満月が重なり、素晴らしく美しい夜に。ススキと桔梗などを簡単に活けて、お供えのお菓子をほおばり、秋の夜長をゆったり楽しみました。(野々村)

●今日から10月。pdwebデザインコンペ2013の作品応募受付を開始いたします。皆様からのたくさんのご応募をお待ちしております。それとpdwebトークショーも開催が決定しました。都内で11月に行います。近いうちに告知させていただきますので、こちらも皆様のご参加をお待ちしています。(森屋)


▼2013年9月1日
●8月の初め久々にアメリカのヒューストンで開催された展示会に視察に行ってきました。そういえばその前もそのまた前もそのまた前もアメリカに行く目的は展示会に参加したり見るためだった。自分にとってはアメリカ=コンベンションセンターの思い出になっている。その経験の多さ故か、日本とのギャップを感じなくなっていく自分がいますが、もうひとつおおきな要因はホテルでインターネットをいつでも見ることができるようになっているのがおおきいと思う。日頃事務所で見ている記事やブログをどこでも日本語でチェックできる「安心感」はおおきい。ひとつインフラでおおきな発見があった。いつのまにか交通信号が「横レイアウト」に変わっていた。これまでアメリカではロープにぶら下がった縦型の信号機が一般的で、よくハリケーンが上陸したという映像では道路上にある信号がおおきく揺れている風景を見たが、それが日本式にポールにがっちりと横型で固定されていた。こんな変化に気がつくのも信号機をデザインしている職業柄に他ならないが、その横置きの信号機のある風景が気持ちをリラックスさせていたなと思う。(アキタ)

●Fab Starters Guideのワークショップも8月28日で3回目。2回目は、3Dプリンタによるストリートアート(コンクリートの割れ目などに粘土を当てて型を取って3Dスキャンし、当てはまるパーツを造形→加工して現実を拡張する)がテーマだった。さすがに3Dスキャナは手が出ないが、加工用ツールはすべてフリーウェアで揃うので、複数の写真からモデリングする手法ならば、何とか自前でも楽しめそうだ。(K.O.)

●以前書いたネットでの購入の話。出張などではJR東海の扱っているEXを利用して東海道新幹線の切符の予約や購入を行っている。ただ、何となく便利だし多少の割引があるということで、普段その値段自体を気にしたことがなかった。今日も出張で往路はそれと交通系ICカードを利用し、復路は新幹線停車駅から乗り換えたローカル線の窓口で購入した。当然、ローカル線分の運賃が加算されるのは承知の上だが、その分バラで購入するよりも通しの距離計算割引と精算などの手間が省けるだろうと思ってのことだった。ところが車内で明細を見てみると、バラで購入した上にEXの割引を利用した場合とでは、駅弁が買えるくらいの差額分が高くなっていた。早速、乗換新幹線停車駅の係員に尋ねたところ、計算のルールによっては、そうなるとのことだった。納得はできなかったものの、結論としてはEXカードとICカードを併用した方が安くて便利だと理解した。何が便利なのか不便なのか今までの常識は通用しないのかもしれない。(クラマサ)

●時間つぶしにぶらりと書店に立ちよると、何やら大きくて重い写真集が目にとまった。「ファーアウト」と言う天体写真集、元天文部としては見ないわけにいかない。数ページ捲っただけだが思わず衝動買いしてしまった。この写真集の凄さは超広角の星野写真からどんどんズームインしていき、ついにはハッブル望遠鏡の捉えた写真まで行きつくところにある。たとえばオリオンの暗黒馬頭星雲がどの位置にあるのか、そしてその詳細がどのようになっていのるかがまるで宇宙船に乗ってどんどん接近するかのごとく構成されている。星に興味のない方でも一見の価値ありだと思う。(芝)

●今年も前期の授業が終った8月初旬に、桑沢デザイン研究所にて3日間の3D CAD夏期集中講座を行った。限られた時間の中ではあるが、SolidWorksを使ってサーフェスモデリングの基礎を学んでもらうカリキュラムを用意した。バージョンアップごとに高機能になりながらも、ユーザーインターフェイスの向上などで、ツール習得のための敷居が下がるデジタルツール。言わずもがなだが、デジタルツールは使う人のアナログスキルに左右される。若い感性の今後に期待したい…と改めて思う夏になった。(ナカバヤシ)

●今年はうんざりするくらいの猛暑続きでしたが、久々に「夏らしいこと」をいろいろとやってみました。渓流遊び(岩からの飛び込み)や、神社のお祭りでの友人の太鼓演技、阿波踊りで盛り上がったり、両親と下呂温泉に宿泊して打ち上げ花火を見たり。東京に住み始めてからは人ごみを避け、お祭りや花火に出かけることも稀になっていたのですが、やはりこの2つは夏の風物詩ですね。いずれもごく近所の小規模なものでしたが、遠巻きで見ているのとはやはり違う。あの独特なカラフルカキ氷も、こんなときには美味しく感じられるから摩訶不思議です。(野々村)

●もう9月ですね。2007年9月創刊のpdweb.jpは、7年目に突入です。少し秋の予定を。今年もそろそろデザイナーズ年鑑「デザイナーズFILE 2014」の制作準備に入ります。同じフォーマットが3年続いたので、今年は少し中身も体裁もイメチェンする予定です。詳細が固まり次第pdwebやメルマガでお知らせします。
pdwebのコンテンツとしては、現在、特集「3Dプリンタのすべて2014」を仕込中です。全製品網羅を目指して各メーカーさん、販売会社さんにご協力をお願いしています。インタビュー記事も数本準備中ですのでお待ちください。それとpdwebの連載記事などをまとめたKindle本も企画中です。もう1つ、「pdwebデザインコンペ2013」も10月1日より応募作品の受付開始です。
そして最後に、pdwebのトークショーも計画中です。小規模ながら中身の濃厚な、エスプレッソのようなイベントにできればと思っています。もろもろよろしくお願いいたします。(森屋)



▼2013年8月1日
●以前講演会をさせていただいた事のある大阪デザイナー専門学校の生徒さんたちが東京に研修にこられるという機会を利用してミニ講演をしました。実はそこで久しぶりの再会がありました。姉妹校である東京デザイナー学院で講演をしたのですが、そこでプロダクトデザインの学科長をしているTさんは12年ほど前にわたしの事務所でインターンにきたTくんだった。12年前のわたしはこれといった製品が出ているわけでもなく、たぶんネットで知る事のできるプロダクトデザイナーのひとりにすぎなかった。彼自身もいろんなデザイナーにメールを出して返事を返してくれたのが3人で、実際に会えたのはわたしだけだったと正直に言っていた。当時仕事もそうなかっただろうに、毎日なにをしていたのか。まだブログを書いてもいなかったので、きっと「話を聞かさせるばかりの話し相手」で辛かったと思う。彼のつけているIDホルダーがわたしのデザインしたHUBSTYLEだったので少しは「良い思い出」もあるのかと感じた。彼のつけていたHUBSTYLEはこれまでに見た事が無いほど擦れてピカピカになっていた。その日持参していたNEW HUBSTYLEを彼にプレゼントできたのは運命のようだった。(アキタ)

●Fab Cafe Tokyoで半年間に渡り8回開催される「Fab Starters Guide」というワークショップに参加している。これは、Fab Cafe Tokyoに毎回異なる講師の方を招き、課題ベースの作品作りを通じて、3Dプリンタをはじめ、レーザーカッターやミリングマシンなどのFab系工作機械の使い方を一通り覚えられるというもの。7月27日に初回が行われ、今は最初の課題をこなすためにレーザーカッターを駆使する日々。残りの回も今から楽しみでワクワクしている。(K.O.)

●日本デザイン学会の教育部会で行われた研究会(6月28日開催)にて、「教養とデザイン」というテーマに対して講演をさせていただく機会がありました。さまざまな文脈で意味やニュアンスに開きが出てしまう「教養」というフレーズを「専門教育でない」と読み替え、ニーズや背景などから推測しつつ「デザインの読み書きそろばん」という切り口で考察しました。ここ数年気になっていたテーマだったので、アウトプットする機会に恵まれたことで、頭の中の整理もついてきました。(ナカバヤシ)

●先日、鎌倉に居を構えた友人の家に泊まりに行って来ました。夜は虫の鳴き声を聞きながらゆるーく酒盛りをし、翌朝は材木座海岸でビーチヨガ。そのあとは近所のお寺をめぐりながらのお散歩…。局地的な古刹巡りや取材などでしか鎌倉には行ったことがなかったので、こんなに鎌倉をのんびり堪能できたのは初めてのこと。なんだか山と海が近くて、関西の実家と京都を足して2で割ったような土地柄に、すっかり魅了されて帰ってきました。海が近くにあるってやっぱりいいなあ。ここ数年海に入ることはなかったけれど、今年の夏はまた他の海に出かけてみようかと思います。(野々村)

●日本ではガラケー(フューチャーフォン)が根強いという記事をどこかで読んだ。iPhone、Androidなどのスマートフォンが使いこなせない人も少なくないという。これはようするに高機能化への消費者の静かな抵抗なのではないだろうか。手のひらに乗る高機能通信デバイスはそれはそれでいいけれど、メーカー全社がそっちばっかり向いては困る人も少なくない。携帯電話に限った話ではないけれど、単機能といえばシニア向け商品、ということだけでなく、若者向けのおしゃれな、かっこいい、いけてるシンプルな製品がもっと増えてもいいと思う。機能を足していくのではなく、引いていく発想が作り手側に乏しいのは、長引く不況からリスキーなモノは避けるという気持ちからなのだろうか。同じようなモノが多い携帯電話、デジタルカメラ市場への新提案、あるいはまったく新しい領域のモノなど、消費者の1人として、国産の冒険心に富んだデバイスがもっと見たい。(森屋)


▼2013年7月1日
●ビックサイトで開催されたインテリアライフスタイル2013に、牛乳パックを原料にした再生段ボール「milca」製の展示用の棚とテーブル「triangle」を出展しました。およそ「milca」はこれまでの段ボールとはまったく異なる素材感をしていて、色は白く硬く一見プラスチックスのように見えます。その紙とは思えない素材を用いて、構造的にも強度の出る「三角形(triangle)」を組み合わせた形状にしました。この試作品にはちょっとしたエピソードがあります。実は同じ6月に大阪で「design method」という個展が開く準備中に「段ボールで展示棚を作ろう」と思いつき、段ボールに詳しい方から紹介してくださったメーカーの「持ち物」が、このmilcaだったのです。一回の個展の為に協力していただいたメーカーの労に報いるべく完成度を上げた結果、製品化をみすえた試作品になりそれが、インテリアライフスタイルへの展示となったわけです。デザイナーは新しい素材と出会いに触発されてアイディアが生まれるというお話。(アキタ)

●最近、自宅の3Dプリンタが時々変な軌跡を描いたり、精度が出なくなってきたと思ったら、前後方向の動きを制御するステッピングモーターに歯車を留めるネジが緩んでいた。1年余、色々な場所でデモしたり、様々なものを作るうちにガタが生じたらしい。キットなので、そういうこともあろうと、部分的に分解して軸を削り、よりしっかりネジで固定できるようにしたところ、購入直後よりも快調に安定して動くようになった(笑)。(K.O.)

●吟味して物を選ぶ時以外、最近はネットの通販を利用している。デイリーな消費物はなおさら。価格を比較できたり、朝頼むと夕方には届くところもあり、配送の所要時間が短い点もこの上なく便利だ。そんな便利なネットでのやり取り、最近の大学受験でもだんだんと取り入れられてきており、願書の出願や登録も行われて始めている。確かに大学案内や願書などの印刷物は、予想を見込んで用意するわけだが、昨今の少子化の完全な売り手市場では、予想がつかないのも現実だ。ある大学などでは「ネット割り」なる費用の割引も行っているようだ。夏休みが近づき、高校では三者面談などが始まると、そろそろ大学では受験体制に突入する。ついこの間、入学式を終えたばかりなのに…。(くらまさ)

●転々とはしたが、独立以来23年間仕事場はずっと代々木界隈であった。今年5月事務所を自宅近くの川崎市宮前区に移した。理由はいろいろあるが、やはり大きいのは不況と震災で固定費削減を余儀なくされたことである。正社員もリストラし、契約社員に切り替えた。これで超低空飛行にも耐えられる身軽さになった、と思っていたら、なぜか仕事の依頼が殺到し始めた。でも蛍を見ながら徒歩で自宅に帰れる素晴らしを味わってしまうと、もう都心に戻る気はしない。(芝)

●やっと、やっとバレエ界のスーパースター、熊川哲也さんの公演(ジゼル)を先日観にいくことができました! 言わずと知れた跳躍と技巧はもちろんのこと、ドラマティックな演技にもうっとり・・・。私のバレエの先生が所属する東京バレエ団の公演も素晴らしくて、やはりバレエは総合芸術なのだと実感。テクニックと表現力、オーケストラ、舞台美術、衣装、それらが渾然一体となって観客に迫ってくるので胸を打たれます。しかもそれは瞬間の芸術。今は以前より映像でも頻繁に観ることができますが、目の前の等身大の人々が繰り広げる様子には比べようもない感動が。それにしても、ネックはおめめが飛び出るくらいチケットが高いこと。もう森茉莉のような贅沢貧乏の道を生きるしかないのかしらん…。(野々村)

●桜が咲いて、ツツジが咲いて、紫陽花が咲いて、もう夏ですねえ。ところで、メルマガの後記にも書いたのですが、アドビのツールがクリエイティブクラウドに移行して、一定料金を支払えば、さまざまなソフトが使えるようになったのは面白いなあと思います。楽器に例えれば、ドラムでもピアノでもギターでもベースでもなんでも使い放題。ギターしか弾けない人がドラムを叩いたら思いのほか向いていたとか、そんな自分でも気づかなかった潜在能力を発見できるかもしれません。自分の道を決めかねているような学生さんなどは、自分探しに1年間CCを使い倒してみるのもいいかもしれません。道具が教えてくれることもいっぱいありそうです。ようするに問われるのは個人のモチベーションでしょうか。(森屋)


▼2013年6月1日
●この5月で誕生して10年になる製品がある。それはデバイスタイルから発売された「一本用ワインセラー」である。あの製品の企画は「子どもが誕生した時にワインを入れて20年後成人したお祝いを共にする」というコンセプトなのでまだ「半分」だとも言える。今でも売り続けているのは「ものすごく不器用」な製品だからかもしれない。なにせ一本のワインを冷やす事しか出来ない。そういった意味ではこの上なく「贅沢」な電気製品でもある。そのとんがった企画ゆえ大手のメーカーが参入する事も無く未だにあの製品しか市場に存在しない。「ニッチ」という言葉もあまり聞く事の無かった時代に生まれたほんとに「ニッチ」な製品である。実は同じように10年を経過した製品がある。それは六本木ヒルズに設置されているセキュリティーゲートでヒルズが誕生したのが10年前の4 月だった。くしくもどちらも「ステンレス」が印象的な製品でありどちらも「ニッチ」な製品である。ロングライフデザインは「不器用」で「頑丈」なものに与えてもらえる褒美かもしれない。(アキタ)

●3Dプリンタで、100円ショップのアイテムの補強や修理をして利用している。実際に使ってみて弱い部分や足りない部分に合わせて作るのだが、この使い方は手軽かつ有効で、結構気に入った。(K.O.)

●今年度から、芝浦工業大学デザイン工学部でもSolidWorksを使った3D CADによるデザインの授業がスタートした。年々機能が向上しGUIも直感的に分かりやすくバージョンアップが施され、使う側の敷居も年々低くなる3D CAD…。とはいえただの道具である。いくら眼前にあっても「What」と「How」について目処が立っていなければ用を足さないのは、ツールのアナログかデジタルを問わず同じだ。モノ作りにおける環境がデジタル一辺倒であるからこそ、いかにアナログでの造形力をアップさせられるのか…を考える月となった。(ナカバヤシ)

●最近、面白いと思うグッズ関連のネタのほとんどは、カタログスペックやWebの情報では、まったく魅力が伝わらないものに多いように感じている。今回取り上げた、「UP by JAWBONE」も、前回書いた「wifiスマートペン」も、多分、「ScanSnap」とか「iPad mini」も、長く使って面白いものは、基本、メディアには向かないような気もするのだ。だから、何でもじっくりゆっくり使って判断したいと思う。(納富)

●このひと月は私事で超多忙でした。GWは毎年恒例になりつつある車中泊旅行、そのあとすぐに友人の結婚式、翌週はベリーダンスの発表会でヴェールを使った踊りなど2曲披露、バレエでは超ハードな「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」のコーダや「くるみ割り人形」の「葦笛の踊り」(ソフトバンクのCMで使われてた曲)を踊りつつ、一方では公園などでヨガをしに回ったり。とにかく元気に東京周辺を飛び回っていました。しかしダンスにしろヨガにしろ、ハマると専用のウェアが欲しくなるんですよね。最近は機能的かつ可愛いヨガウェアがたくさん出ているので、ついついそっちに目が…。煩悩まみれの毎日です。(野々村)

●3Dプリンタが一般の人にもずいぶん認知されてきたようです。RP、NCなどに昔から関わっている人には「安くなったねえ」の一言で終わる話でしょうが、誰にでも立体物を手軽に出力できるような時代になると、これから盛り上がってくるのはオリジナル3Dデータの制作方法かもしれません。3D CGや3D CADによるモデリングテクニックが再び注目を集め、また、クレイモデル、というか粘土細工などから点群データが取れる3Dスキャナ的なデジカメなども登場するかもしれません。デスクトップマニファクチャリング、盛り上がってくると楽しいですね。(森屋)


▼2013年5月1日
●早稲田大学渡辺仁史研究室の編纂による「時間のデザイン」という本が発売されました。時間と空間の概念を16のキーワードで読み解くというテーマで16人の建築家をはじめとするデザイナーや研究者がインタビューに答えています。わたしはその中で「持続」というテーマでプロダクトデザインを「長く使える製品作り」という観点からお話しました。渡辺研究室は新宿戸山にある工学部の中にありますが偶然その前にある通りでわたしの信号機が設置されていて、「持続の実践」を自ら再確認したような気持ちでした。2007年に出版されたカラーズ編集による「プロダクトデザインのカタチとココロ」以来のまとまったインタビュー集ですが、およそ6年の期間を経ても変わらないデザインへの気持ちが「持続」していることを読み比べてもらえればと思います。(アキタ)

●先日、大阪の中之島から心斎橋にかけて約300台の自転車がアピール走行をする御堂筋サイクルピクニックに参加してきた。行政に対するアピールの内容は、御堂筋に自転車レーンを設けてもらうこと。一方では、自転車に対する交通法規の徹底や取り締まりが強化されようとしているわけだが、そうであれば、交通行政における自転車の位置づけをより明確にし、路上でもきちんと立場や権利が守られる仕組みが整備されてしかるべきだ。(K.O.)

●新年度、新学期、人の異動があちこちで見られる。定年を迎えられてご退任された教員の代わりに、新任がお二人学科に来られた。その方々を交えて新入生の合宿がセミナーハウスで執り行われた。今年その行事担当が私だった。バス2台の一行が行き帰りに博物館や美術館に立ち寄り、近隣でお弁当を広げる。事前準備の段階で立寄先やバスと駐車場、昼食の広場や雨の時の屋根のある施設を探し、おやつや夕食後の催事、教員用の酒の手配までを一手に仕切る。手伝いの学生を募り、公用車を借り、前日の夜までにすべてを整えた。果たして当日は雨。ネガティブに想定したリスク回避策の甲斐もあり、用意した飲食物は完飲完食、予定の遅延も5分以内。プログラムをデザインしたなという達成感が気持ちよかった。(くらまさ)

●あるテーマのビジョンを具現化するために、現時点で最善の”解”となり得る仮説をカタチを伴ってアウトプットするのがデザインワークの初めの一歩だ。しかしながら、そのためにはビジョンの具現化(解)を引き出す、或は連れてくるための"問い"が必要なのだが、どうも軽視されがちなのが以前からして気にかかっている。答えが10になる掛け算は無数にある。10をビジョンとすれば、そこへ代入する数値を見つけるための判断項目と基準が"問い"であり、探してきた数値が”解=デザイン”なのだ。(ナカバヤシ)

●Livescribe Wifiスマートペンを使っていて思うのは、デジタルの面倒くささがなくなると、今度は道具としての完成度に目が向いてしまうということ。AirPenの書き心地に不満がないのは、他の部分に不満が多かったということなのだろう。ただAirPenも用紙のサイズ判定とページめくり判定が自動的にできたら、それだけで飛躍的に使いやすくなると思っている。そして何より、Wifiスマートペン用の低粘度油性リフィルの早急な発売を切に望みます。(納富)

●今年のGWは山形へ行くことになりました。生まれが関西の自分にとっては、山形は未知の世界。千年以上前から山岳修行で有名な羽黒山や、今年50年に一度の御開帳が行われる山寺、古い街並が今なお残る酒田市など、どうやら見所が満載のようで期待が高まります。でもまあ今回も去年と同様、目的地がアバウトな車中泊旅行なので、ひたすら温泉に入る旅でもいいのかな? さてこのまま編集部から出発、行ってきます!(野々村)

●「pdwebデザインコンペ2013」の告知を掲載しました。今年も皆様からのたくさんのご応募をお待ちしています。2008年からスタートした本デザインコンペは今年で6年目になりますが、過去に本コンペに応募された人の中で、プロのデザイナーになられた方は何人もいらっしゃるでしょう。また学生時代の運試し、将来の方向性を決めるための1つの契機として、本コンペを利用された人もいると思います。今年も、デザイナーさん、デザイナーの卵のみなさんの、1つの通過点として、本コンペを利用していただければ嬉しく思います。ところで今月はGWのさなかのせいか、後記が少ないですね(^_^;(森屋)

▼2013年41日
●3月6日大阪で「dawn(朝焼け)」という照明器具の発表会が久宝金属であった。数年前に訪問した四万十の景色がヒントになってうまれた照明器具だ。同じタイミングで東京ではビックサイトでライティングフェアが開催され信号電材の街路灯と信号機の展示と、信楽にある艸方窯(そうほうがま)で製作した光を透過する土で作られた「光る洗面台」も展示され朝の情報番組でも取り上げられ評判になっている。東と西でLEDにまつわる製品が同時期に展示発表されたのは不思議な事だが、今ヒカリは自分にとっても重要なデザインテーマであると再認識した月だった。(アキタ)

●手動式3Dプリンタとも言える3Doodler(http://www.the3doodler.com)が面白そうだ。自分のユニットも2014年(←そう来年)の2月までには届く予定。インクジェット系のプリンタメーカーや、オモチャメーカーも3Dプリンタビジネスに乗り出すべきだと思う。(K.O.)

●卒業シーズンになると、本務校のほか非常勤校の宴にもいくつか呼ばれることがある。特に今回は、学生の祝賀会や謝恩会の他に、定年退職の方々やその人事に伴う新任の先生方を交えた歓送迎会に幾度となくお招きを受けた。そんなとき、学生たち自身は明日から会わなく会えなくなる学友や恩師も居る事を、あまり意識していないだろうと思えてしまう。そうした場面を幾度も経験していると、常に今を大切にしなければいけないと、年ごとに深く考える。四月からはまた新しい出会いが始まる。その人たちとは、これからどれだけの付き合いになるのだろうか?(くらまさ)

●思う事あって、6足歩行ロボットを研究しようと思っている。何か作業をさせるなら絶対に6足だと思う。進化の最終勝者(数の上での)である昆虫も6足なのだから。最初は近藤科学のKMR-M6を考えていた、8万円弱だし適当に改造できそうだしと、真剣に調べ出すとアメリカ製のPhantom Xと言うロボットキットの存在を知った。動画を見ると明らかに完成度が違う。Arduinoがベースらしいので、プログラムは問題なさそうだが、アマゾンの個人輸入で20万円ちょっと、しかもマニュアルも英語のみ。悩ましいが動きを見てしまうと、もう忘れられない。(芝)

●フィードリーダーである「Google Reader」の7月サービス終了と、それらに関連するアクションのニュースが飛び交った。私もサービス開始後まもなくから使い始めていたサービスだ。登録フィードは250程あり、そこを通じて毎日届く2000通程のニュースサマリーを「読む」ではなく「見る」のが日課だ。ニュースから数日の間の各社の動きは速く、移行ツールやサービス等が次々に発表された。中でも「Feedly」は以前からあったアプリだが、登録フィードの移行とユーザーインターフェイスの両面から、今回の顛末の漁夫の利を得そうだ。替わりはすぐに現れる。まるでジャングルでの生存競争のように。多様性万歳!…である。(ナカバヤシ)

●パイロットの「Juice」が105円、三菱鉛筆の「uniball SIGNO RT1」が157円。日本の筆記具の機能と性能の高さは、こんな製品まで作ってしまっているけど、これらの価格が当たり前と言うか、筆記具の標準だと思わず、これはとても例外的なのだと考える事はとても重要だと思う。それにしても、使い心地が良いペンだ、どっちも。愛用中。(納富)

●今年は当初の予想より2週間も早く桜の花がほころび、あっという間に満開に。先週末は2日続けて、慌てふためきながらもいつもの場所で集った。顔ぶれはそうそう変わりはないものの、昨年はそこにいなかった新しい生命との初対面も果たし、こうして時は確実に過ぎていくのだと改めて感じる。どうか来年再来年の春も、ゆったりと空を仰ぐことができますように。(野々村)

●もう4月ですね。pdwebは今年度も「pdwebデザインコンペ2013」の開催と、年鑑書籍「デザイナーズFILE2014」の刊行を予定しています。さて、最近のモノ作り業界のトレンドは何でしょうか? ツール的には、身近になってきた3Dプリンタや3Dスキャナですかね。各種デバイスのユーザーインターフェイス(GUI)やロボットの動向なども面白そうです。そういった新潮流をテーマに、pdweb主催のイベントやセミナーも実施できればよいなと思っています。(森屋)


▼2013年31日
●わたしは今年の6月で60歳になる。同時に独立してから25年になる。まあそんなことは他人にはまったく関係のない話だけれど。そんな「建前」を利用して、6月に個展でも開こうかなと思っている。場所はなぜだか大阪。今大阪で親しくしている友人たちにご迷惑をかけてちょっとその企画を進行中である。場所はうつぼ公園という緑豊かな公園に面したカフェを予定している。これまでデザインした製品を20ばかり展示しようと思っている。同時に展示台もオリジナルなものを作ろうとしている。折よく二つの新製品が6月には並ぶ予定なので、ひょっとしたら初お目見えがその展示会になるかもしれない。ふつうであれば定年を迎える60歳に「動いているか」というのが、昔からの「セルフテーマ」だったので、なんとかその課題はクリアーできそうかなと思っている。(アキタ)

●拙著『成功する会社はなぜ「写真」を大切にするのか』(講談社刊)が、意外にも投資コンサルタントの方々から注目され、先日も立て続けに2つの対談を収録した。1つは、Podcastでも配信されているので興味のある方はぜひ以下の「ラジオNIKKEI」のオンデマンドコーナーの木下ちゃんねるANNEX〜カイロスの選択(2013.2.22放送分) からお聞きになっていただければ幸いである。http://market.radionikkei.jp/chance/ (K.O.)

●大学での進級や卒業の判定結果がぞくぞく発表されるこの季節。その結果に疑問を抱く学生の数が年々増えているように感じる。欠席日数も規定内、課題もすべて提出したのに、この成績ではおかしいから、調べ直して欲しいという要望が大学側へ学生から出される。しかし、本来ならば、遅刻欠席をしないこと、課題も全部出して当たり前の前提で成績の評価をするわけであるのだが、内容評価と審査基準条件をどうも勘違いしているように思えてならない。どういう形であれ、創作する現場で将来的に働くのであれば、自分のやるべき仕事への最低限の品質は高く持って欲しい。将来の日本品質は大丈夫なのだろうか?(くらまさ)

●「SOCIAL DESIGN CONFERENCE 2013(http://www.social-design.info/)」の、イノベーションをテーマにした第2回目となるプログラム(2/26開催)に参加した。計5回開催する2013年度のカンファレンス主題は「2033年の日本を描くグランドデザイン」。新たなフローを生む変革で、社会経済はどう変わるのか?…との切り口に、5名のパネリストたちが自身の取組みや事例報告を交え会議が行われた。会議の委員長はデザイナーのムラタチアキさん。モノからコトへ…と言われる昨今、ビジョンをエンジンに「コト」を起こし、最後はモノやサービスにつなげる試みには共感だ。(ナカバヤシ)

●iPad miniとA5サイズのノートを中心とした、外でも仕事に対応できるミニマムな荷物を、快適に持ち歩けるコンパクトなカバンというのが、ありそうで意外に少ない。中では、デザインフィルのエアリーレザー・シリーズの新作のショルダーバッグと、BlueLoungeの新作がかなり良い。後はコンパクト(B5サイズくらい)でデザインも良いブリーフケースがあるといいなあ。(納富)

●今年の冬はとっても寒かった…。超低血圧で冷え性の自分にとって、冬をどう乗り切るかは毎年切実な課題です。それで常に冷えや低血圧に良さそうな食べ物などを試したりしているのですが、今年てきめんに効いたのは、結局寝るときに使う寝具と、何年か前に購入した無印良品の湯たんぽでした。昨年までは足元に置いていた湯たんぽを今年からおなかのそばに置くようにし、また直にラクダの毛布、その上にホワイトグースの羽毛布団、一番上にロロス・ツイードの100%ウール毛布という風に羽毛布団をサンドしたら熱が逃げなくなり、寒くて夜中目が覚めることがなくなりました。でも湯たんぽで低温やけどしている人もけっこういて、ちょっと怖いんですよね…。一番軽くて温かいとされているカシミアの毛布はン十万するのもあるし、それより断然手頃なアルパカはどうなのかな〜とか。今年は家にあるものだけでなんとか乗り切りましたが、来年はもうちょっと研究の余地アリです。ともあれ春はもうすぐ! (野々村)

●「デザイナーズFILE」を作っていると、作品そのもの、あるいは毎年新しく参加いただいたデザイナーの皆さんから、時代の変化を感じます。去年と今年の変化にはなかなか気づきにくいものですが、本書の前身となる「プロダクトデザイン年鑑2008」(誠文堂新光社刊)を改めて眺めると、時代の大きな流れを感じることができます。
さて、お待たせしているpdwebのコンテンツですが、「ユカイ工学」、「キギ」、「auのINFOBAR A02」のインタビュー記事を順次アップする予定です。(森屋)


▼2013年2月1日
●先日書店で見かけた経済誌の表紙に「65歳定年の衝撃」というタイトルが書かれていた。今年の4月から希望者には65歳まで就労できることが義務化されるらしい。わたしも会社に勤めていたら今年定年の「はず」だった。60歳は還暦でもあり同時に定年が訪れる。まあ中にははやく辞めて「自由になりたい」と思う人もいるだろうが、多くの人はまだまだ働けるのに会社を去ることになり、そして「みんなにお祝いされる」というのは皮肉な「セット」だと思っていた。数年前から60歳になったら「なにかイベントをしよう」と考えていた。世間の定年は延長されたが、とっくの昔に会社を辞したわたしは「予定通り」に60歳のイベントをするべく動いている。(アキタ)

●アップルが1〜3月期でiPhone 5の生産計画を半減というウォールストリートジャーナルの報道はフォーブス誌の指摘で誤報の可能性が高まり、日本でNEXUS 7がiPadよりも売れているという記事もヨドバシやヤマダ電機、アップルストアなどの数字を含まない調査会社BCNのデータが基になっている。IPS細胞研究を巡る読売新聞もそうだが、マスコミの言うことは、ますます鵜呑みにできなくなってきた印象だ。(K.O.)

●1月中旬から約1週間パリ郊外で開催された「メゾン・エ・オブジェ」に出展してきた。海外での展示会は、フランクフルトやNYなどを数えて「もう」なのか「まだ」なのか4回になる。単純にコンセプトのお披露目ではなく、国際商談という色の強いそれは、日本での開催とちがって、かなりシビアなやり取りが出展側来場者双方にある。欧州通貨がユーロで統一されたとはいえ、EUではないアジア、アフリカからも訪れているためでもあるが、良い物は良い、高い物は高いなど、その内容ははっきりとしている。そうしたこともあるのか、会期中も学生などの冷やかしや模倣などの好ましくないであろう来場者を制限する工夫がなされているようだ。それと比較すると日本国内の展示会は、どことなくお祭り的な要素が強い気がする。(くらまさ)

●年明け早々秋田出張になった。空港に着くと雪のため1時間遅れの出発、しかも雪で着陸ができなければ羽田に引き返す条件付きフライトのアナウンス。早速クライアントに電話すると、あちらは慣れたもので「いつもそう言うのですよ、大丈夫でしょう」の一言。秋田空港に着くと積雪1メートルほど、久しぶりの冬の日本海側の景色に感心していると、「雪国は損です、雪下ろしにタイヤに暖房費と余計にお金がかかるんです、それに冬の間晴れるのは3日ほどしかない、気が滅入りますよ」と迎えの方の一言に「そうですか」の言葉以外思いつかなかった。(芝)

●autodeskの「123D / for iPad」を使い始めている。iPadで3次元モデリングが行えるアプリだ。「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる(クリス・アンダーソン著 / NHK出版)」が話題の昨今、このアプリを使い3Dプリントするようなワークショップもしばしば行われている。そんな背景と興味からダウンロードしてみた。してみて正直驚いた。シンプルで分りやすいインターフェース、直感的な操作と編集機能、ブーリアン演算や立体の合致機能…等々。流石にサーフェスモデリングはできないが、用意されたプリミティブ形状からのモデリングは寝転びながらでもできてしまう。「CAD」ではなく「立体オーサリング環境」という視点が適切かもしれない。これを使った授業ができそうだ。(ナカバヤシ)

●本をデジタル化するために切っていると、本が紙の束で出来ていることを実感する。ノートも紙の束だし、雑誌もメモ帳も紙の束だ。でも、同じ紙の束だけれど、それぞれに違うし、同じ本でも美しかったり、どうでもよかったり。その違いが生まれている、その瞬間や、その原因がデザインでありコンテンツで、それを定着させブラウジングさせるハードウェアが紙。コンテンツやデザインにかなり左右されるところを見ると、ハードウェアとしては、あまり優秀ではないのかもしれないけど、使い勝手はよいので、ずっと続いているのだと思う。(納富)

●「デザイナーズFILE2013」がようやく無事校了しました! 今年はプロダクトやインテリアデザイン業界の最先端で活躍されている103組に加え、巻末付録として「BooK in Book」もつき、ボリュームも内容もさらにパワーアップ。日本のモノ作りの底力をしみじみと感じられる一冊となりました。素晴らしい新作の数々も一覧できますので、是非お手に取ってみてください。3月初旬から全国有名書店やAMAZONで発売予定なので、春の訪れともに、どうぞお待ちくださいませ!(野々村)

●今年はデザイナーの皆さんのインタビューを一杯掲載できればと思っています。すでに2本仕込み中ですので、もうしばらくお待ちください。それと、改めてモノ作りの業界全体が俯瞰できるような企画も検討しています。木も見るけれど森のダイナミックな動きもウォッチする…そんなことを考えています。最近は読者アンケートを行っていませんが、pdwebで読みたい記事などリクエストも歓迎です。ご意見・ご感想もお待ちしています。もろもろ info@pdweb.jp までお気軽にお寄せください。(森屋)


▼2013年1月1日
●12月25日に、お世話になっている方と食事をしていたら「今日は柳さんの命日ですね」と言われて、1年前のことを思い出した。直接柳さんとお会いすることは叶わなかったが、勝手に柳さんの後進の1人だと思っている。信号機をはじめ公共機器の仕事はそういう思いを込めてはじめたものだ。プロダクトデザインは人々の生活に深く根ざしたものでなくてはいけない。小さい時から日常で目にするなにげなく使われている道具や器具によって、人々のデザインへの理解が深まると思っている。そういう役割が自分の使命だと思っている。2013年、別の意味で「日常生活の基盤」になる製品が発売される予定だ。長く愛されることを願って幾度も幾度も試作を重ねた。(アキタ)

●イギリス自転車界の名エンジニアで、ミニ(自動車)のサスペンション設計も手がけたアレックス・モールトン卿が他界した。奇しくも、デザイナーの角南健夫さんが手がけるmindbikeが完成し、2013年の春には販売開始できるところまでこぎ着けた矢先のことだった。その実物をモールトン卿に試乗していただけなかったことが心残りである。(K.O.)

●遅まきながら、やっと最近iPhoneデビューをした。というのも、Wi-Fiルータを使ってMacBook AirとiPod touchを持ち歩いていたので、携帯電話はガラケーで用が足りていたからだ。ところが、iPhone 5にデザリング機能が純正で搭載されたのを機に、発売から初期不良のニュースも一段落したころで、満を持して予約に行った。確かにひと月近く待った甲斐があったと思う。鳴り物入りで搭載されたmap以外は。そのため、touchはiOS 5のままにしておいた。そのmapもついに、最近ストアに登場したgoogle map への自動リンクが先日のアップデートで使えるようになったようだ。スティーブ他界後、なんとなくAppleの動きに勇み足の気配を感じる。(くらまさ)

●最近GYALAXYのCMを見ていて久しぶりにギターが弾きたくなった。検索するとAndy mckeeのRylynnという曲だと分かった。そして本人が演奏している映像がYouTubeに沢山ある。映像を見ると5フレットあたりに見慣れないカポのようなものがある。また検索するとパーシャルカポというものだそうで、すぐにネットショップにたどり着き購入。TAB譜もすぐに見つかり、アマゾンでMP3の曲を購入。なんとも便利な世の中である。そして、TAB譜どおりに音を出してみて愕然とする。錆びついた腕をなんとかしてくれるアプリはどこにもない。今年はギターを練習する余裕を持てるようにしたい。(芝)

●12月10日(月)、雲一つない青く澄み渡った空と、ピリピリするような厳しい寒さで目が冴えた。仙台駅に着いたのは朝の9時。途中の那須塩原付近の猛吹雪を車窓から見ていたことで多少心配したが、定刻にせんだいメディアテークに着くことができた。デザインウィークinせんだい(http://dwks.info/)の一環で開催された「"復興"デザインセミナー&ワークショップ(主催:経済産業省東北経済産業局、JIDA)」で午前の部のワークショップ「東北地域とこれからのデザイン 〜震災後の新しいデザインを次世代に伝える〜」を担当した。レクチャー後にワークショップを行うプログラムだったことから、仙台地域の方々と交流が持つことができ、得難い経験となった。(ナカバヤシ)

●子供用の3弦ギター作成キット「The Loog」は、まるで三味線とギターが合体したような製品で、なおかつ、ちゃんとオモチャになっている素晴らしい製品。チューニングを変えて弾くことが前提になっているのが三味線っぽい。ピックアップ付けたり絵を描いたりと改造しやすいのも嬉しい。(納富)

●先月ちょこっと書きましたが、インド料理店を貸し切っての初めてのベリーダンスショー、ダンサーをはじめ、参加者全員大盛況でした!! バレエのレッスンでも「くるみ割り人形」の中の「金平糖の精」を、最後まで踊りきることができたし…。2012年は、とにかく私にとっては、NO DANCE,NO LIFE! な1年でした。どういう手段にしろ、自分を表現できるのは気持ちがいいし、素敵なものです。2013年はより多くの人に共感してもらえるような表現方法をダンスに限らず身に着けて、皆さんにお届けしたいなあと思っております。2013年も、どうぞよろしくお願いいたします!(野々村)

●新年あけましておめでとうございます! 2013年はどんな年になるのでしょう? 去年よりも良い年になればと思います。pdwebとしては、インタビュー、コラム、レビューなどをより充実させて、今年もデザイナーの皆さんに有益な情報をお届けしていきます。
さて、上でお2人がギターをネタに書いていますが、私は年末に新しいベースを購入しました。フレットレスのアップライトエレキベースで、ジャズの練習用ですね。本来はウッドベースなんでしょうけど、それだけの腕前も予算も場所もないので、ネックだけでできているようなスリムなベースにしました。こういった従来のインターフェイスを取り込みながら、現在に対応する楽器なども、もっと増えていいような気がします。(森屋)


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