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コラム

澄川伸一の「デザイン道場」

その41:時間の単位

澄川伸一さんの連載コラム「デザイン道場」では、
プロダクトデザイナー澄川さんが日々思うこと、感じたこと、見たことを語っていただきます。

イラスト
[プロフィール]
澄川伸一(SHINICHI SUMIKAWA):プロダクトデザイナー。大阪芸術大学教授。ソニーデザインセンター、ソニーアメリカデザインセンター勤務後に独立。1992年より澄川伸一デザイン事務所代表、現在に至る。3D CADと3Dプリンタをフル活用した有機的機能的曲面設計を得意とする。2016年はリオオリンピック公式卓球台をデザインし、世界中で話題となる。医療機器から子供の遊具、伝統工芸品まで幅広い経験値がある。グッドデザイン賞審査員を13年間歴任。2018年ドイツIF賞など受賞歴多数。現在のメインの趣味は長距離走(フルマラソン3時間21分、富士登山競争4時間27分)。



●時間、そして月の存在

そもそも、時間の単位だけ、何故12進法なのだろうか?
お金とか距離や重さに関しては10進法が用いられているのに対して、時間の単位は古来より前世界共通で12進法が用いられている。

その理由は、実は地球と月の密接な関係性にある。1年365日の期間で実質12回の月の満ち欠けがあることから、まずは1年が12に分けられているのである。そして、月の存在は時間だけではなく、海における潮の満ち引きをはじめとして、ものすごく地球環境と生命体に影響を及ぼしている。

当然ながら、人体も70%が水分なわけで、月の影響を受けていないはずがない。精神状態にも月の影響は相当にあるし、地球とそのすべての生き物のリズムを作り出しているのが月なのである。新月の夜に何かが起こるとか、かぐや姫であったり、狼男であったり、世界中に月にまつわる伝説が多いのも、その影響力の事実が背景に存在する。

月に関しては、説明がつかない不思議なことが非常に多い。そもそも、月と太陽は距離的にはまったく離れているにもかかわらず、皆既日食の時に分かるように、地球からの見かけのサイズがぴったりと重なる同じ大きさなのである。目の前のパチンコ玉と10m先のバランスボールがまったく同じ大きさに見えるって、よく考えると確率的にはあり得ないこと。これだけ、サイズも距離も異なるものが、地球上からはまったく同じ大きさの円形として毎日見えるというのは考えれば考えるほど不思議なのである。誰かが意図的に設置したとしか考えられない。

そして、月は地球に対して絶対に裏側を見せない。写真で見る限り、同じ物体とは思えないほど、表と裏で表情が違う。オカルトになるが、月にはすでに先住民のような何かが存在しているという話も個人的には信じている。アメリカが全力を挙げて挑んでいたアポロ計画は過去に合計6回も月面に着陸している。それが1972年のアポロ17号を最後に現在まで月面には誰も着陸していない。

月面から地球に帰還した飛行士たちが皆、宗教活動に移行したりという科学の世界とは真逆の行動に出ているし、このあたりはいろんな憶測が飛び交っている。月面着陸の当時からすでに50年も経っている現在、いろいろな技術が著しく向上している現在、なんで月に誰も行かないのだろうか? おそらく、行きたくても行ってはいけない何かが存在するのだろう。月には何か大きな秘密が隠されているのはほぼ100%間違いない。

●1年は12か月

月に関しては、まだまだきりがないのでいったん「時間」の話に戻したい。
1年を12か月に分割して、さらに、それぞれの月が28日だったり31日だったりとまた割り切れない気持ちの悪い感じが残るのではあるが、それが実は月の個性を表現しているようにも思える。日本だと「水無月」、「神無月」とかそれぞれに非常に風情のある名前が付けられている。この原稿を書いている今月は「師走」であんまり風情がないのだが、ニュアンス的に漢字表現の月の名前というものはかっこよさを感じるものである。

そんなこんなで、12か月で次の年に繰り上がるわけであるが、年に関して言えば10進法であり、同時進行で十二支という動物に例えた12進法も同時に存在する。「厄年」みたいに周期的に気を付けましょう! みたいなものもあるし、何かこう、健康と運のうねりみたいなものを感じる。気を引き締めることはとても大事だとは思うのであるが、今年は厄年だからおとなしく過ごそうとか思わずに、普段通りに頑張ったほうがいいのではと個人的には思う。ちなみに僕自身はおみくじとか占いは一切やらないし信じない主義なのである。

●1週間は労働単位?

しかし、1か月というのは長いようで本当に短すぎる。このコラムを書くのもそうだ。やっと書き終わった、と思ったらもう月末の締め切りになっている。ほんとうに困ったものだ(笑)。そんな1か月だが、それをさらに細分化して分かりやすくするために、7進法の1週間という単位が存在する。これはこれでまた月の28日周期を4分割して1週間を7日構成にした単位なのであるが、これもまた世界中で共通で使われている時間の単位である。

日曜日もしくは月曜日から始まり、火やら水やらと地球の構成要素的な呼び名が日本ではつけられてはいるが、曜日があることで日常的な時間の管理が驚くほど便利になってくる。

1週間という単位は、労働にとっても役に立つ単位なのだと思う。メンタルコントロールにとても有効だ。土曜日、日曜日があることで、残りの5日間は頑張るぞ! という気分にもなれるし、お店の定休日とかでも水曜は休みと覚えておけば、無駄な動きはしなくて済む。

曜日を意識することで、本日の座標軸みたいなものが分かりやすくなるのでとても便利な単位だ。個人的にはこの1週間という単位が大好きなのである。仕事も基本的には、この1週間単位で計画を立てている。そういえば、ロシア民謡に「1週間」という歌があった。ロシアらしいリズムでやたらとせわしない曲だったのは何故だろうか? やっぱり働くための歌なのであろうか?(笑) 

以前、腕時計のデザインをしていた時に、1週間で色が変わっていくアイデアを出したことがある。例えば、月曜日は文字盤が青になり、金曜日では金色になるとか。当時はいいアイデアではないかと思ったのだが、まだ製品化には至っていない。どこか作ってくれたら嬉しいのであるが。

振り返れば、私自身も過去にいろんな時計をデザインしてきた。それらも振り返りつつこれからの時計も模索してみたい。

1週間も、1か月も、1年も、気が付けばあっという間に過ぎてしまう。まずは、この瞬間を大切に1日を充実させていきたい。

2022年1月1日。
 


2022年1月1日更新




▲「ROSE」(タカタレムノス)バラの花びらを12進法に見立てて文字盤とした時計。 針も三角断面で影を強く表現できるようにしている。ニューヨークのMOMAでも、販売されていた人気商品。アルミ鋳物に塗装処理。(クリックで拡大)




▲「ISIS」(タカタレムノス)アクリルの中に時計が封印されている不思議な感覚の時計。音もなく秒針が回転し、宇宙空間を連想させる。 アクリルの中の色がランダムに反射して非常に美しい。ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホールでも販売。現在もタカタレムノスで販売中。(クリックで拡大)




▲「RASEN」(竹中銅器)アンモナイトをイメージした、プロトタイプモデル。貝殻の形はとても数学的で見ていても飽きずに美しい。部屋にあるだけで、時を感じる空間に変化していくから不思議だ。(クリックで拡大)




▲「GUYS & DOLLS」(パルコ)SONY元上司の黒木康夫氏プロデュースの腕時計。秒針をなくして、小窓中に赤白で点滅する表示にすることで、心臓の鼓動のような生命感を感じるデザイン。グッドデザイン賞受賞。(クリックで拡大)











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