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コラム

坂井直樹のデザイン色眼鏡

第15回:手塚治虫遺伝子解析プロジェクト
遺伝子は身体のコードでありデザインだ

坂井直樹さんのコラム「デザイン色眼鏡」では、コンセプター坂井直樹さんに、モノをメインにデザインを取り巻く状況を語っていただきます。

イラスト
[プロフィール]
坂井直樹:コンセプター。株式会社ウォーターデザイン代表取締役。1947年京都生まれ。19歳で渡米し、サンフランシスコで「Tatoo T-shirts」が大ヒット。帰国しテキスタイルデザイナーとして活躍した後、80年年代後半に「Be-1」(日産自動車)や「O-product」(オリンパス)のコンセプトを手掛け脚光を浴びる。その後もau design projectで数々の先進的な携帯電話のデザインをプロデュースするなど、コンセプトからデザインまで革新的なビジネスをクリエイティブしている。


●天才を遺伝子から解析

手塚治虫先生のトレードマークであったベレー帽に残されていた遺髪からDNAを採取し解析を行った。と聞いて、誕生日を機会に私の「遺伝子検査」を「ジェネシスヘルスケア」にお願いした。

遺伝子検査は「サイエンスの裏付けのある占い」のようにも思える。そして自分の身体の未来に関心があったことと、自分の先祖が世界のどこから来たのか? はとても好奇心を沸き立てた。遺伝子は身体のコードでありデザインだ。

きっかけになったのは、ジェネシスヘルスケアが2015年7月7日(火)から始めた「手塚治虫遺伝子解析プロジェクト」の話。「手塚治虫遺伝子解析プロジェクト」では、「生命とは何か、人間とは何か。遺伝子や医療がもたらす未来を誰よりも予見し、マンガを通じて向き合った男」、手塚治虫という天才を遺伝子で解析できるのなら興味深いと思った。

手塚治虫は、ブラックジャックをはじめ医学のことや人間のことを描いてきたが、実は「ネオ・ファウスト」という、ゲーテの「ファウスト」を題材にしたオリジナルストーリーによる1989年の作品が、手塚の死により未完で絶筆となった。この漫画で扱っているのがまさに遺伝子。遺伝子解析は未来の科学で、非常に手塚治虫的な世界だなというふうに感じた。


●膨大な記憶をリミックス

手塚治虫の息子さんの手塚眞さんとも面識があり、毎年年賀状のやりとりをしている。彼は「天才手塚治虫の遺伝子を見てみたい、知りたい」という気持ちが強くなったとプロジェクトの動機を話しておられる。

ロボット、未来都市、自然との共存、医療、人間の心の物語を描いた手塚。その影響は、現代の社会や生活に強く反映している。そんなマンガの神様の遺伝子を解析するとどんな発見がもたらされるのか?

手塚治虫は膨大な記憶力を持つという。それを頭のなかで自由自在に組み合わせることができる。3つぐらいの面白いエピソードがあったら、それを3つ組み合わせることで1つのストーリーができてしまう。つまり膨大な記憶をリミックスしたのだ。彼は特別な記憶力があって、本を読むときに速読ができる。文字を追って理解しているのではなく、ぱっと見た瞬間に、一種のサヴァン症候群的なものだ。

有名な話がある。たとえばアシスタントに漫画の背景を指示するときに、後ろに本棚があって、本棚の何冊目にある本の何ページの絵を描きなさいと言ったという。頭のなかで該当ページを覚えていて、それを指示することができた。だから、自分が何ヶ月も前に描いた漫画の何ページ目の左下にある、それと同じような自動車を描いてください、そういう指示の仕方ができた。異常な記憶力だ。

詳しくは以下のサイトへ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000008653.html
http://tezukadna.jp/mobile/dialogue1.html


イラスト
遺作となった「ネオ・ファウスト」の表紙から




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