pdweb
無題ドキュメント スペシャル
インタビュー
コラム
レビュー
事例
テクニック
ニュース

無題ドキュメント データ/リンク
編集後記
お問い合わせ

旧pdweb

ProCameraman.jp

ご利用について
広告掲載のご案内
プライバシーについて
会社概要
コラム

坂井直樹のデザイン色眼鏡

第4回:新しさにこだわり続ける日本のデザイン
いかにグローバルとローカルのバランスをとるか?
ジョン・C・ジェイ氏が伝える10のレッスン


坂井直樹さんの新コラム「デザイン色眼鏡」は、コンセプター坂井直樹さんに、モノをメインにデザインを取り巻く状況を語っていただきます。

イラスト
[プロフィール]
坂井直樹:コンセプター。株式会社ウォーターデザイン代表取締役。1947年京都生まれ。19歳で渡米し、サンフランシスコで「Tatoo T-shirts」が大ヒット。帰国しテキスタイルデザイナーとして活躍した後、80年年代後半に「Be-1」(日産自動車)や「O-product」(オリンパス)のコンセプトを手掛け脚光を浴びる。その後もau design projectで数々の先進的な携帯電話のデザインをプロデュースするなど、コンセプトからデザインまで革新的なビジネスをクリエイティブしている。


●ジョン・C・ジェイ氏がW+Kからファーストリテイリングに移籍

10月初め、ファーストリテイリングは記者会見を開き、世界的クリエイターのジョン・C・ジェイ氏を自社のグローバルクリエイティブ統括に迎えることを発表した。

ファーストリテイリングは、ユニクロを中核ビジネスとして、ジーユー、セオリーなど複数のブランドを展開する会社であり、同社社長の柳井正氏は、これまでもジョン・C・ジェイ氏と長く交流があったという。

ジョン・C・ジェイ氏は、ワイデン+ケネディの創業者ダン・ワイデンのパートナーとして有名だ。毎週違う国にいるということで、ジョンは何人もいるとも言われている。

同氏は会見で次のように語る。「この瞬間を長年待ち望んでいた。世界が激変する中で、ファーストリテイリングの前にはかつてないグローバルなチャンスが広がっている」。
http://www.advertimes.com/20141007/article171963/


●ジョン・C・ジェイ氏でさえ苦しむ、グローバルとローカルのバランス

しかし、そんなジョン・C・ジェイ氏でさえ、何かをグローバルへ、またはローカルへと展開していくことは容易ではないようだ。

日経ビジネスONLINEでの対談「佐藤可士和氏×ジョン・ジェイ氏」の中で、ジョン氏は次のように語っている。

「それは永遠の課題ですね。トレンドって常に変わるじゃないですか。ローカルからグローバルになっても、5年もたてばグローバルからローカルへと変化するし。(中略)そのサイクルを見誤ると、もともとローカルで持っていた、いい意味での驚き、ご当地の味というものが薄れ、均一化してしまう。だから、グローバルとローカルの両者を、いかに上手にハイブリッドするかが課題ですよね。私にしても、その揺らぎは常にあります」。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140212/259658/?P=3

クリエイティブシーンのみならず、広く世界を舞台にしたビジネスにおいて、当然ながら、ローカルな考え方だけだと商品のブランド力は低下する。一方で、グローバルに舵を切っても、そのうち世界中で同様のことがおきて陳腐になってしまうのだ。

そのサイクルをうまく見極め、バランスポイントを見つけることが必要だと思う。

●コンテクストとカルチャー理解に通じる深い体験をすること

対談のなかでジョン・C・ジェイ氏は、この「バランスポイント」を見つけるためには「深い体験」が必要だという。よくいわれることではあるが、Googleの情報ではなく、身体的に得た情報こそがものをいう。

そのような「自分と異なるモノ・ヒト・コトとの深い体験」があってこそ、コンテクストやカルチャーの本当の理解に通じ、そのことがグローバルとローカルへの真の理解と敏感な視点になるからだろう。

以下、このことを含めて、同氏が伝える10のレッスンを転載させていただきたい。

●ジョン・ジェイ氏が伝える「若いデザイナーたちへの10のレッスン」

(1)自分に正直でありなさい。君が持っている最大の資産は個性だ。ああしろこうしろという他者の言うことには耳を傾けるな。

(2)他の誰よりも仕事に励みなさい。努力は必ず報われる。

(3)パソコンから離れ生身の人間、本物の文化に触れなさい。これが人間の本質である。

(4)技に磨きを掛ける事を怠るな。思考の革新のみでは足らない。手先を動かしモノを作りさない。

(5)可能な限り旅に出なさい。旅先で自分の無知を再認識するといことはとても謙虚で刺激的な経験である。

(6)現代社会はテクノロジー率先で流行に翻弄されやすい。しかし、その中でもやはりオリジナリティは君臨する。

(7)自分もそうなりたくないのなら愚かな者の元で働くな。

(8)本能。直感。己の力を信用する事を学びなさい。

(9)黄金律(「おのれの欲するところを人に施せ」)は真。善意に尽くせ。

(10)例え他のすべてが失敗しようとも、(2)を維持できればそれは君のキャリアの最大のアドバンテージになるであろう。

●10 lessons for young designers:

1. Be authentic. The most powerful asset you have is your individuality, what makes you unique. It’s time to stop listening to others on what you should do.

2. Work harder than anyone else and you will always benefit from the effort.

3. Get off the computer and connect with real people and culture. Life is visceral.

4. Constantly improve your craft. Make things with your hands. Innovation in thinking is not enough.

5. Travel as much as you can. It is a humbling and inspiring experience to learn just how much you don’t know.

6. Being original is still king, especially in this tech-driven, group-grope world.

7. Try not to work for stupid people or you’ll soon become one of them.8. Instinct and intuition are all-powerful. Learn to trust them.

9. The Golden Rule actually works. Do good.

10. If all else fails, No. 2 is the greatest competitive advantage of any career.

John C Jay


 



イラスト
ファーストリテイリングの傘下にあるユニクロ。これまで、同社のクリエイティブは佐藤可士和氏が担当してきたが、今後はジョン・C・ジェイ氏とともに行うことになる。(クリックで拡大)


イラスト
グローバルとローカルのバランスが大切。(クリックで拡大)

Copyright (c)2007 colors ltd. All rights reserved