女子デザイナーの歩き方 第88回
ロボットのいる暮らし
moviti/片山 典子
[プロフィール]
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。デザインの師匠である同業のオットと2人暮らし。2005年から“デザインって何だ!”と称してノンジャンルで自主活動展開中。最近はフリークライミングとバスケットボールの“大人部活”と旅行にはまっている。2010年から本格的ソロ活動(離婚じゃなくて独立)開始。
http://moviti.com
このコラムでは、デザインのジャンルの枠を超えた活躍をされているmovitiさんに、さまざまな観点から女子デザイナーの歩き方を語っていただきます。
正直コミュニケーションロボットは苦手だ。先日Pepperに表情を読まれて「怒ってます?」と言われた。ロボットってどうなんでしょうね。工学設計者はみんなアトムを目指すとか。悪く言ってしまうと「手垢のついた未来」アイテムのようだが。
AIBOの頃にはセンサー、多関節、バランス制御を見せびらかすロボットが各社発表されたり。AIBOが1999年、ASIMOが2000年。パナソニックも、勝手に歌ってお調子者のテディベアを発表していた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/AIBO
http://www.honda.co.jp/ASIMO/
気がつくと、かつての新製品も実績を上げて着々と定着しているようだ。複数のロボットが連携、自律制御してサッカーするロボカップも20年近い歴史がある。
http://www.robocup-japanopen.org/index.html
ロボットスーツのHALは介護者が使うのかと予想していたら下肢リハビリで成果が出て海外展開。HALなしで歩行できるまでの回復も可能って凄い。
http://www.cyberdyne.jp/
長い睫毛で毛足ふかふか、撫でればキューと鳴き、勝手にもぞもぞ動く高価な縫いぐるみだと思っていたら、認知症やうつの改善にグローバルに実績あり。言語を超えた動物の癒しパワー、amazonでも購入可。
http://intelligent-system.jp/
来年3月でレンタル終了だそうだ。喜多先生デザイン、なんかおっとりしている。
https://www.mhi.co.jp/products/detail/wakamaru.html
改めてTEPIAに見に行くと、スタッフの人たちに愛されているのを見て自分の心理的垣根も下がったか(これ大事)、昔よりはなじめそうだ。
https://www.tepia.jp/exhibition 東京はコミュニケーションロボットのある場所多いなあ。
部屋をくまなく自走する掃除機やセグウェイのバランス制御、自動運転カー、自立型建機やトラクターもロボット、今時みんな知っているだろう。ロボティクスというのだそうだ。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/robot/pdf/senryaku.pdf
IoTとかスマートとか、ネットにつながって(一昔前なら"インターネット家電")可能性が広がり、顔認識などのセンサーの精度向上、そして改めて昨今のロボブーム。Pepperが爆発的に売れているそうだ。カワイイ好き? 先端技術好き? 好奇心? 垣根の低い人は少なからずいるのか。
http://www.softbank.jp/robot/special/pepper/
https://www.aldebaran.com/ja/peppertoha
http://portal.nifty.com/kiji/150914194547_1.htm
警戒してしまう、大きな黒目で見上げられたり、背中の反りやマーメイドラインの下半身が妙に艶かしい。目の周りの光で作られる表情、指の動きや話すイントネーションの滑らかさは驚嘆。WAKAMARUやパロはこちらから交流が始められるが、アプリを搭載して積極的に話しかけてくる。
空気読まないキャラで突っ込まれてくると物なのか人格なのか、先端技術を試したいのにこちらが気を遣ってメリハリ良く話しかけたり、まだ慣れてない。黙っていると気まずく、話すと妙に力む。
http://portal.nifty.com/kiji/150130192654_1.htm
接客には人への警戒感よりも物珍しさで話しかけやすいのかね。多言語OK、タブレット付で分かりやすそう。
http://nestle.jp/brand/nescafe/pepper/
http://area-benesse.jp/event/pepper/
http://www.h-n-h.jp/
ロボットと同居なんて寂しいじゃないか、とも思っていたが、ひょっとしたら「プライベートの中のダイバーシティ」というか、空気読まないやつが突飛な事を言って場が和む、って確かにちょっと先の未来感なのかも。ともかくこうして書き出してみたら確実にロボットが生活に食い込んできている気がしてきた。
Pepper、お茶を運ばないまでも、ついでにエアコン、明かりや窓の調節、TV番組録画予約、メールやスケジュールの読み上げ、緊急連絡、子供の見守り、近い将来できるんじゃないの? ひょっとして感情認識ロボのプライドで、できるけどやらないのか?
http://robot-times.jp/
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