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女子デザイナーの歩き方 第110回(2017年8月4日掲載)
ケータイとスーパーノーマル
moviti/片山 典子

[プロフィール]
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。2010年独立、3D CADでプラスチック製品から布製品、ソファやモダン仏壇の木製品、クラフト系などネーミングやロゴ込みでいろいろ手がけている。趣味はフリークライミングとバスケットボール、旅行。
http://moviti.com/moviti_nori


このコラムでは、デザインのジャンルの枠を超えた活躍をされているmovitiさんに、さまざまな観点から女子デザイナーの歩き方を語っていただきます。


東京は雨が降らずに梅雨明け、いろんな処で大雨が降って大変なことになってる。お見舞い申し上げます。

今を代表するプロダクトデザイナー深澤直人さん関連の展覧会が2つ。

AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展(7/8~10/1)
https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/17/170708/

au Design project 15周年を記念した展覧会「ケータイの形態学 展(7/21~31)
http://www.g-mark.org/gdm/exhibition.html

思い返すとauのデザインプロジェクトは一大ムーブメントでしたな。それ以外もdocomoやJ-PHONE/SoftBankなど、auの通常ラインナップもあって、モバイル機器のデザインにデザイン業界以外の人も関心が集まって熱かった。さまざまなイノベーションが機能や緻密さ、楽しさや便利をレベルアップした。

プロダクトデザインにおいてもコンパクトな筐体設計やサイズと画面サイズの駆け引き、塗装や金属の表面処理、キーサイズや印刷、デザインコンセプト等を脳を絞り出すように考えて世に送り出していた。2層成形、2コート塗装、キーの隙間、色、パール、マイカ、メタリック、光沢、グラデーション。GPS、近距離通信、傾きセンサー、タッチパネル、バイブレーション、極小カード、極薄電池、非接触充電などなど。人類の最先端の頭脳が競争して”楽しくて新しいハッピー”を開発していたような。

私は当時デジカメやケータイプリンタになんとかそのマインドを取り込みたいと1人でもごもごしてました。そもそもコストがなくてちょっとしか自分のデザインの仕事で実現はできなかったけど巷にはステキな商品化があちこち。勉強になりました。甘酸っぱいしょっぱい思い出というか、しんどくなって追いかけなくなって蓋をしてしまったが、ケータイのプロダクト振り返りのサイトがちゃんと残っていて、ユーザーの愛を感じる。実際丸の内のギャラリーも来場者が多い気がする、去年のSONY展の時同様、”モノから思い出”な人は多いんだな。
http://time-space.kddi.com/adp15th/index.html
https://www.au.com/original-product/
http://www.sonymobile.co.jp/company/museum/

私はポケベル世代ではないので持ち歩ける通信手段、PHSケータイを買ったのが1998年頃、なぜか長野五輪シンボルマーク付きを使っていた。今思い出したら画面は白黒で切手サイズだったんじゃないか。2代目はJ-PHONEのシャープのフューシャピンクのやつ、初めての写メールや動画撮影は興奮しましたよ。こんなちっさいレンズで撮れるのか。

外出先に電話が追っかけてくるのを怖れてケータイをなかなか持たなかった人もそこそこいたな。家のコンセントに充電器が差しっぱなし、帰ってきたらクレードルに載せて充電する。着メロの和音やら重量競争とか各社やってました。ストラップじゃらじゃら付けたり、お好みのグラフィックのフィルムで筐体をカバーするサービスがあったり。sportioはキーがサイズの限界挑戦、アシンメトリな配置で色も可愛くて好きでしたよ。
https://time-space.kddi.com/ketaizukan/2008/21.html

やがてスマホへの移行、iPhoneが黒船のようにやってきて、ケースの種類が豊富なんて意外な理由でアップルがメジャーになるとは。

今やメールよりメッセンジャーやLINEで連絡取りあったり、TwitterやInstagram、Swormに写真をアップし、Facebookで友達の近況を知り、知らないことがあればググぐり、ガイドブックを持たずに旅行する、スマホ生活にどっぷりですよ。まあスマホって画面や機能が主役で、画面サイズと薄さで勝負、プロダクトデザインとしてはあっさりしすぎなんだけど。

そろそろレトロ近未来風でないフィルムディスプレイ採用機の実用化、商品開発してたりするのかな。

今ググったらVERTUもまだあるし、フラッグシップのバータイプも売ってるんですね。
http://www.vertu.com/

nokiaも復活してるし。
https://www.nokia.com/en_int/phones/nokia-3310

最もキッチュなケータイ、ふと検索したらあるじゃないかブッダフォン。
http://www.odditycentral.com/pics/golden-buddha-phone-the-holiest-of-gadgets.html

日本だと「ガラケー」と残念なニュアンスで言われてますが、スマホほど機能全部盛りでなくていい、モノの佇まいにフォーカスして用途が絞れる人は世界中にいるのね。

そしてau design projectは終わってなかったのね。今回SHINKETAIという端末を深澤さんデザインで提案している。一方INFOBARがトランスフォーマーになり時代をキャッチアップするしたたかさ。そもそも今を代表するデザイナーがこんなに動向の激しいヒリヒリするような不安定で未来を模索するジャンルに関わり続けているってタフだなあ。
https://www.makuake.com/project/au-transformers/?utm_source=default&utm_medium=widget&utm_campaign=widget


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AMBIENT展は最近の仕事(家具が多い)と代表作からピックアップ。スーパーノーマルな商品たちはお尻のRが大きくてかわいいな。本当はこういうフォルムにしたかったんじゃないのか、純度をあげて向かい合っている。個々のモノに付けられたシンプルで個人的な思いを表した一言が強靭だ。静かでアノニマスなようで実は味が濃くてちゃんと時代性をキャッチアップするアンテナが鋭いなあ。

いかにもスプリングバックしそうな滑らかな大きな曲面でハイレベルな製造技術を匂わせる、クライアント企業の影響で以前のスーパーノーマルよりラグジュアリー感が増した。現代の民俗博物館みたいにも見せてるのかも。
https://jaspermorrison.com/exhibitions/2000-2009/super-normal


 


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