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女子デザイナーの歩き方 第103回(2017年1月6日掲載)
C4カクタスがやってきた!
moviti/片山 典子

[プロフィール]
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。デザインの師匠である同業のオットと2人暮らし。2005年から“デザインって何だ!”と称してノンジャンルで自主活動展開中。最近はフリークライミングとバスケットボールの“大人部活”と旅行にはまっている。2010年から本格的ソロ活動(離婚じゃなくて独立)開始。
http://moviti.com


このコラムでは、デザインのジャンルの枠を超えた活躍をされているmovitiさんに、さまざまな観点から女子デザイナーの歩き方を語っていただきます。


今年もよろしくお願いいたします。

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いきなりですがうちのオットが年末に車を買い替えました。シトロエン「C4 CACTUS」。クルマに詳しくないですがその話題。
http://www.citroen.co.uk/new-cars-and-vans/citroen-range/citroen-c4-cactus
http://car-moby.jp/8917

なんと今はシトロエン.jpには載ってないのか、 ヨーロッパから遅れること2年、日本では200台だけ。コンセプトカーの頃から惚れて、モーターショーで間近に見て、待ち続けて抽選応募し、ショールームにも展示されず、試乗もなく、いきなりご対面して納車。いやはや愛があれば。カーシェアリングとかモビリティとかいうトレンドとは真逆の物欲を満たしたようです。

ヨーロッパでは内装と外装の組み合わせ、ディーゼルやガラスルーフも選べるようだが日本仕様車は5パターンのみ。内装がブラウンxブラックだとエクステリアはホワイト。思いがけず白い車に乗るとは! でもホワイトパールは朝焼けにピンクベージュに輝く贅沢な色使い、白と黒に合わせるマットブラウンのバンパーとの相性もフレンチな色使いが只者ではない。

こういうのも候補にしていたらしい。楽しくて山に行きたくなる、車高が高い4WD。でも燃費悪いのはねえ、並行輸入はメンテナンスが心配だし。エンスーはちょっと困るし。

「プジョー2008」
http://www.peugeot.co.jp/models/car-selector/suv2008.html
プジョー、いいヨーロッパ車になったねえ、やんちゃな感じが減った。

プーチンさんの愛車「ラーダニーヴァ4x4」
http://blog.le-parnass.com/index.php?e=3065
時代を超えたモダンデザインいいわねえ。

「ジープレネゲード」
http://www.jeep-japan.com/renegade/
ジープもこんなのあるのね。

「レンジローバーイヴォーク」
http://www.landrover.co.jp/vehicles/range-rover-evoque/index.html
ちょっとでかいね。

「パンダ4x4」
http://www.fiat-auto.co.jp/limited/panda-4x4terra/
イタリア車はなんかトラブルありそうでね。

日本車も視野には入れてたんだが、内装がワクワクしないんだそうで。ジムニーは高速がしんどいし。
「スバルレヴォーグ」
http://www.subaru.jp/levorg/levorg/
雪道に強いのがぐっと来てた。

「スズキイグニス」
http://www.suzuki.co.jp/car/ignis/
今の日本車らしからぬ可愛いフォルム。

日本ではヴェルファイアやシエンタが売れてるんかもしれないが、うちの好みはこんなところです。


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その前はシトロエンC4のブラウン、ガラスルーフだった。熟成したエレガントな曲面、コクピットっぽいドライバー周り、宇宙船のようなガラスの天井、ゆったりと”クルーズ”という言葉が似合う。スニーカーのようなプジョー206から乗り換えて「大人っぽいなー大人だからな」と思っていた。メーターのブルーLEDの色を微妙に変えられたりウィンカーの音が選べたり、ムーディな演出満載。

C4 CACTUSは細目ヘッドライトと正面側面背面のエアバンプが特徴ありすぎだが、内装もクルマっぽくない。乗り換えて車格は下がったのだがホイールベースは変わらず、少し空間が小さくなったはずだが狭くは感じない、天井が上がったからか。シフトノブがなく、ギアはでかいボタンとハンドルのパドルシフトで切り替え、クラッチペダルの無いマニュアル。随分風変わり。

シトロエンらしい豊かなコクピットの曲面にエレガントなメタル使いではなく、角の丸い四角が基調。ベンチシートなんで、レトロな革トランクとソファーに上下カット円形ハンドルと四角い液晶付けたみたいな。

運転席らしさがなくて、テイストのあるインテリアとイマドキな自動車の操作部が最小限に同居してるのは、どうにかしたら”最近のよくできてる国産軽自動車”に通じるところもあるのかも。でもダッシュボードの縁のRや操作部周りの面のまとめ方、スパッとフラット気味に表現したガラス面とのコントラスト、ブラックと合わせたブラウンの色味がトロリとした旨味になっているのか。

大きな違いは軽量化に注力したそうで、無駄を削ぎ、ドアを閉じた時のパフッと感触も軽いしちょっとプラスチッキーな手触りの部分もある。リアウインドウは隙間を少し開くだけ。あ、でもバックモニターもUSBも付いたし。なぜか運転時の音はうるさくならず、会話しやすくラジオはむしろ聞こえやすくなっている気がするのはスピーカー性能が上がった?

チープになりそうなところをキビキビした合理性に変えている。内装のファブリックやプラスチックの色や手触り質感の気は抜いていない、ためらいのない黒光沢が効いてる。

バックトゥベーシック、シンプル機能で新しい価値を創るってなかなかデザイナーがやってみたいのに、気がつくと機能全部盛りで価格ダウンになりがちなこのご時世、よくやった。

エンジンも小さくなり、燃費向上もさることながら、乗り味が軽い。大橋ジャンクションをぐるぐる回るとC4の時は重くて遠心力でグーンと振られている感じがしていた(それはそれで楽しい)のが、柔らかい薄底の靴で地面に吸い付いて駆けているような軽快さ。アウトドア装備と同じくウルトラライト/軽量至上主義みたいなクルマだ。

シトロエンはハイドロニューマチック・サスペンション、色っぽいフューチャーレトロなDSの一方で可愛いブリキ缶のような2CVを作ってきたメーカー。C4 CACTUSは2CVの合理性を21世紀アレンジしたという見方もあるそうで。おしゃれ番長made in Franceの夢のある未来感も鋳物の道具の定番感もうまいことキャッチーにリニューアルしてる。

弟のC3もリニューアルするそうですよ。現モデルの大きなフロントガラスやキュートなカラーリングが夢のように素敵だった、新モデルはどんな味なのかな。
http://www.citroen.jp/car/c3/
http://newcar-design.com/citroen-c3-2017/


 


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