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女子デザイナーの歩き方 第102回
皆様、デザインに興味ありですか
moviti/片山 典子

[プロフィール]
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。デザインの師匠である同業のオットと2人暮らし。2005年から“デザインって何だ!”と称してノンジャンルで自主活動展開中。最近はフリークライミングとバスケットボールの“大人部活”と旅行にはまっている。2010年から本格的ソロ活動(離婚じゃなくて独立)開始。
http://moviti.com


このコラムでは、デザインのジャンルの枠を超えた活躍をされているmovitiさんに、さまざまな観点から女子デザイナーの歩き方を語っていただきます。


11月の東京は恒例デザインウィークがあったが、今年は悲しい事故が起きてしまった。最終日に行こうとしていたんですが、1日早く終了で見れず。
http://tokyodesignweek.jp/2016/tokyo/

ベッドサイドに置いていたアルテミデのスタンドランプSidecar Miloのシェード、知らない間に電球が接触して焦がしてしまった私には他人事と思えない事故だ。

展示物は客観的に見れば”薪&着火剤=キャンプファイヤー"ではあるが、光を出すものが高温になり、燃えやすいものと接するうちに発火して一気に燃え上がる、と冷静に思い至り対策することがなかったのだろう。

10年前のDesignTideで、クライミングホールドを作って仮設ウォールに設置して"鍛える壁紙/登れるインテリア"「OnWall」という展示をしたのを思い出した。

当時はデザインイベントに来るのはデザイン関係者だけだったし、そもそもDesignTideが原宿の取り壊し直前のビルでやったのが、サブカルっぽかった。

私はまだ会社員だったが、当時始めたクライミングのホールド(壁についてる突起)がカラフルで変なカタチで人の動作を左右するって、作りたい! と安積朋子さん、磯野梨影さんを無理やり巻き込んで、樹脂の取り扱いと購入をクライミングジムNOSEのOさんに、壁が倒れたら困るから専門のクライミング壁設営業者に頼み(皆様感謝しております)、登りたい! と言ってくれた人の足元に外用のボルダリングマットを引っ張り回して、安全に気をつけていたつもりだが、今思えば無茶しました。捻挫する人が出てきても全然おかしくなかった。ラッキーとしか言いようがない。

デザインを身近に感じる機会が増えて、特に子供には"面白い"イベントと取られるようにメジャーになって、ありがたいことだが、冷静に気をつけなくてはならないことも増えたということを謙虚に肝に銘じておきたい。


**
今秋の東京は素材や技術、発想起点のデザインの展示が多かったなあ。デザインシンキングの端っこ、試行錯誤の現場を見て腑に落ちる体験を楽しむ感じかな。出展側の人も一般の人の反応が聞きたいところだろう。デザイン関係者じゃない人はそこそこ見に来てるのかな。

・アトリエ・オイ展(終了):
http://www.axisinc.co.jp/building/eventdetail/518
建築家なので? 物がデカイ。特に革の扱いが上手。重く濃厚で更に動くのが海外らしい。

・experimental-creations(終了):
http://experimental-creations.com/
若手デザイナーが新素材や3Dの実験。こちらは日本若手らしいクリーン、白く軽やかな印象。

・日常になかった金属のカタチ(終了):
http://www.coba-meets-nss.com/sp/
金工とデザイン、手加工、レーザーカット、生なアイデアとさまざまな表情の金属が萌えました。

・sense of motion(終了):
http://senseofmotion.net/
NSKというベアリング製造会社の技術展示。100周年だそうで展覧会やトークイベント、社内向けリニューアルなど。

・トラフ展 インサイドアウト(12月11日まで):
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex161015/index.htm
素材-明快なアイデア-完成品がシンプルにつながっていて、クリアに見えて、気持ち良い、かっこいい。上階のムービーも期待通り楽しい。ギャラリー間の展示はプロ向けなんだが一般の人も面白さが分かると思う。

・デザインの解剖展(1月22日まで):
http://www.2121designsight.jp/program/design_anatomy/
デザインの解剖というか、完成した商品をデザイン視点で興味を発散させて遡るような。本展は明治の製品にフォーカスして(その割にmeijiのサイトからリンクが一切ないのは何故)ロゴや色、構成要素、版下目線なパッケージの解説、簡単/詳細2モード解説とかグラフィックデザインのディープさも垣間見える。完成度の高い巨大食品モデルや牛乳積み木は佐藤卓さんのサービス精神か。


以前はデザイン展といえば単にデザインされたものが並んでモヤモヤ感じるだけだったが、最近は生のアイデアに読み解くための解説が付いて、考えるプロセスを追体験したような気になれる。工場見学や製造の現場に行くのと同じような気分で、非デザイン関係者な人も見に行ったら自分なりに面白いし、敷居を意識せずに足を踏み入れて感想言っていいと思うの。展示自体も興味持てるように工夫してるし。

ところでこのコラム、一応配慮しているつもりだんだけど、デザイン関連じゃない人はどれぐらいの割合で読んでいるのだろう。


 


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