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モバイルデザイン考 第118回 (2018年4月30日更新)

元祖スマートスピーカーの普及モデル
「Amazon Echo Dot」

今回は、少し前に招待制から一般販売に切り替わった元祖スマートスピーカーの普及モデル「Amazon Echo Dot」(以下、Echo Dot)を採り上げてみる。

photo[プロフィール]

大谷和利
テクノロジーライター、AssistOn(www.assiston.co.jp)アドバイザー、自称路上写真家。Macintosh専門誌、Photographica、AXIS、自転車生活などの誌上でコンピュータ、カメラ、写真、デザイン、自転車分野の文筆活動を行うかたわら、製品開発のコンサルティングも手がける。主な訳書に「Apple Design日本語版」(AXIS刊)、「スティーブ・ジョブズの再臨」(毎日コミュニケーションズ刊)など。講談社現代ビジネスブックより「成功する会社はなぜ「写真」を大事にするのか 一枚の写真が企業の運命を決める」、三省堂より「ICTことば辞典:250の重要キーワード」(共著)、宣伝会議より「ビジュアルシフト」(監修)が好評発売中


▲「HomePod」のパッケージ。(クリックで拡大)


●リーズナブルなスマートスピーカー

日Echo Dotは、日本で約6,000円、アメリカでは約30ドルという戦略的な価格設定で販売されている、アマゾンのAIアシスタント、Alexa(アレクサ)に対応した純正スピーカーのエントリーモデルだ。

上位モデルとの差は、主に音質(最上位のAmazon Echo Plusは、照明や家電制御のためのハブ機能も持つ)とUSB電源で駆動可能な点であり、Alexaを利用する上での基本機能は変わらない。

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▲ホッケーパックのような形状のEcho Dot。最上位モデルで、より背の高い円柱フォルムのEcho Plus(および、第一世代のEchoとEcho Dot)は、上端の円周部を回してボリューム調整ができるが、現行の第二世代Echo Dot(と同じく第二世代Echo)ではコストダウンのために、同機能が+とーのボタンに割り当てられている。また、他の2つのボタンは、音声聞き取りの停止機能(左)と、ウェイクワードの代わりにAlexaを物理的に起動する機能を担当する。(クリックで拡大)



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▲このように、円周部の白いリングに青い光が周回することで、Alexaが起動して聞き取り状態にあると分かるようになっている。視認性は高く、少し離れていても、聞き取り状態にあるかどうかを判別可能だ。(クリックで拡大)










安価だが安っぽさはなく、グーグル同様、アマゾンもハード製品のまとめ方が上手くなってきていることを感じる。また、底面はつや消しとつや有りの表面処理を使い分けて文字部分を表現するなど、少々凝った仕上げもされている。

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▲底面は、中央部が滑り止めを兼ねたシリコーン系素材でカバーされている。周辺部がわずかに上方に向かって湾曲しているのは、冷却気の取り込みや、スピーカーからの音の抜けを良くするためと思われる。(クリックで拡大)


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▲底面の仕上げは基本的につや消しだが、文字部分のみつやを残した加工とすることで、角度によって光の反射で読み取れる。(クリックで拡大)









上位モデルと異なり、電源ポートはマイクロUSBで消費電力も少ないので、ユーザーによっては、屋外で外部バッテリーによって動かしたり、その小ささ(直径84mm、厚み32mm)を生かして車載用にし、シガーソケットから電源をとるような使い方もされている。

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▲後部には、電源供給用のマイクロUSBポートとステレオ出力のミニジャックがあり、外部スピーカーに有線接続できるほか、Bluetooth経由でワイヤレスのオーディオシステムにもつなげることができる。(クリックで拡大)










付属のACアダプタも専用品で、デザインにはアップルの影響も感じられるが、Google Homeと同じように、リビングなどで利用されるコンシューマー製品であれば、ここまで気を使うのは当然という考え方が一般化しつつあるともいえよう。

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▲ACアダプタもロゴ入りの専用品で、サイズはアップル純正のiPhone用のものより大きいものの、視覚的に邪魔にならないデザインでまとめている。いわゆるUSB電源なので、Echo Dot本体を外部バッテリーなどで駆動することも可能だ。(クリックで拡大)



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▲07(クリックで拡大)



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▲ここの断面に認可情報などを記すのは、アップルのデザイン手法を踏襲したものといえる。(クリックで拡大)






アマゾンは、ハードを作るだけでなく、ソフトの点でもこの製品の魅力を高める努力をしており、最初だけウェイクワード(メインの音声認識を起動するための、"Alexa"や"Amazon"という呼びかけ)をいえば、文脈を理解して会話が続けられるようにするアップデートを準備中だったり、スキルと呼ばれるボイスアプリをプログラミングの知識がなくても簡単に作れるWebサービスを英語圏向けにスタートさせている。

こうしたアップデートやWebサービスが、1日にも早く日本でも使えるようになることを願っている。

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▲Amazon Echoはハードウェアビジネスではなく、単にアマゾンが考えるエコシステムの入り口の1つに過ぎない。その意味で、本体よりも重要なのは、アメリカでサービスが始まった、「ブループリント」と呼ばれる、定型的なスキルのセルフ作成サービスだ。Q&Aとおとぎ話、ベビーシッターへの言伝などのテンプレートを選択し、必要な質問と答えやストーリーをタイプするだけで、コーディング不要でスキルを作ることができ、自分のアマゾンIDと紐付けされたEchoなどのAlexa対応デバイスで利用できる。(クリックで拡大)
















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