┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第31号・・・2012/10/29       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第31号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※一部未編集箇所がありましたので、修正して再送します。 ●連載コラム:西山浩平の空想デザイン 第17回:誰かのための起業 ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第7回:印 design(インデザイン) ●pdwebデザインコンペ2012のご案内 ●編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆3Dプリンタ下取りキャンペーン◆       Objet最新3Dプリンタでの ◆対象機種はエントリークラスからRPシステム  ◆   メリットを実感! ◆最大下取り価格 640万円! 2012年12月28日まで◆ http://goo.gl/3sdkq ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●連載コラム:西山浩平の空想デザイン 第17回:誰かのための起業 ○ファッショニスタ? 社長? ふーさんと知り合いになったのは、去年の夏のことだった。表参道のギャラリ ーで開かれていたレセプションに立ち寄ったときに紹介された。ふーさんは背 の高いスラリとした人で、スタイリストでもなければコーディネートできなさ そうな玄人好みのアイテムを自分のスタイルとして着こなしていた。違うシー ズンのものを上手に組み合わせていたので、数年かけて作ったそれなりのワー ドローブがあるのがうかがえた。そんなファッショニスタという印象が強かっ たため、名刺交換をするまでは美術館のキュレーターや海外ブランドのアタッ シェ・ド・プレスなどの仕事をしているのものだと一人合点していた。だから Webプロダクションを経営しているのを知ったときは少なからずびっくりした。 社長がおしゃれをしてはいけないとかそういう話ではなく、なんか経営者っぽ くなかったのだ。そしてその違和感は、1年後に再会するまでに消えることはな かった。 ○IT業界のマドンナ 会社でエンジニアを何人か採用することになった。ターゲットが非常に限られ た、難易度の高いリクルーティングになりそうだったので、誰かに相談に乗っ てもらいたくて、知り合いに聞いて回っていた。そしてそのうちにふーさんに 会うのがよいということになった。以前紹介してくれた知人にお願いして、1年 ぶりではあったけれど連絡をとり会うことにした。ふーさんはさまざまな規模 のプロジェクトをコーディネートするので、エンジニアを大勢知っているはず だ、というのが、ふーさんを紹介してくれた知り合いの弁だった。そしてその 知り合い曰く、ふーさんはIT業界ではマドンナとあだ名されていて、若いエン ジニアの憧れの的となっているということだった。 先日、CUUSOOシステム社にスカンジナビアから新しい経営者がやってきた。そ して新しい経営陣の下、CTO以下技術部門を一新することになった。米国の競 合が技術面やUX面でCUUSOOを凌駕していて、てこ入れが必要になっていたのだ。 CUUSOOが事業を展開するCo-Creationと呼ばれる業界は、この数ヶ月の間大変 にぎわしい。中堅の競合が大手企業に相次いで買収されたり、上位競合が大型 の増資を実現させたりしているのだ。そういったニュースが相次いで入ってく るのを受けて、CUUSOOの役員会では今後の競争の激化に備えて、リスクを取れ る体制に替えるべきだという決断を下した。その結果、資金調達を行い、人材 を増員することにしたのだった。 新しく来た経営者は、「ベストと言われるクラスのエンジニアだけを採用した い」という採用方針を採ることを決めたので、優秀なエンジニアを急いで手分 けして探すことになった。単に、技術力があるということだけでなく、追加の 条件として、若くて英語が話せるということも加わったため、相当気合を入れ ないと見つからないことは必至だった。東京にいながらにして、英語の話せる 世界クラスのエンジニアを採用できるのかという疑問が、何度も頭をよぎった が、とにかく人に会ってみることを決めたので、実行に移すのみだった。そし て、コンタクトを取る作業に各役員があたる毎日が始まった。人材派遣会社が 持ってくる履歴書にはぴんとくるものが少なかったので、ふーさんは、貴重な 頼みの綱の1人だった。 ○子供のために起業 会ってみるとふーさんは、何人かの候補者になりそうなエンジニアの名前とそ のエンジニアたちの作り上げた実績を教えてくれた。そのおかげでどの会社の どの部門にターゲットとなるエンジニアが現在働いているのかがだんだんと分 かってきた。ヘッドハントできるかどうかは分からなかったけれども、ふーさ んを通じて、何人かに声を掛けてもらうことになって、ミーティングを切り上 げようとした。 ふとテーブルに目を移すと、コーヒーが半分以上残っていたのに気がついた。 お願いに来ているのに要件以外何にも話さなかったので、少し社交辞令に欠い たことをしたかな、と心配になってしまった。ふーさんはそんな表情を読み取 ってくださったのか、どうしてWebのプロダクションをはじめたかのきっかけ を話してくれた。 「私、実はもともと起業するつもりはなかったんですよ」 「?」 「必要に迫られて会社を始めたんです」 「?? 」 「実は、私離婚していまして、子供を育てるためにお金が必要で会社を始めた んです。だからビジョンがあって始めたというより、家族を守るためにはじめ たということのほうが大きかったのです」 お子さんがいることは知っていたが、子育てをするために起業するというのは、 初耳だった。 「でも、就職してもよかったのでは。なにも経営リスクを取らなくても…」 「もともとは、テクノロジーが好きで高専に入りました。女性では珍しいでし ょ? 技術が好きだったからWebも関心をもって動向を追っかけていたんです」 「手に職があったから、自宅で仕事がはじめられたのです」 「小さい子を育てるためには家にいる必要がありました」 「がんばれば所得が増えて、スタッフにも恵まれたんです」 「結果、事業を会社として育てることができました」 「そのうちメインテナンスの収入が入ってくるようになって、10年も経つとそ れがキャッシュフロー生んでくれるようになりました」 「もともとはジュエリーデザイナーになるために勉強をしていたのに、それが パートナーとの離婚のために、やりたかったこととは違う、Webのプロダクシ ョンを経営することになったんですよ」 もっと華々しいきっかけや、夢が彼女を会社の経営者に育て上げたと思ってい たから、聞いている間黙ってふーさんの顔を見つめる以外はあまりできること はなかった。 ○マドンナの意味 「今は年老いた母親の面倒も見ているんです」 ふーさんのイメージはもはやファッショニスタのそれから、もっと芯の強い母 性をもった人物像に置き換わっていた。 おしゃれな洋服を身にまとうのは子育てや親の面倒をみることからくる生活の 疲れを隠すためのよろいなのだと思った。そして、若いエンジニアが彼女をマ ドンナと呼ぶのは、容貌を指してではなく、その母性を指しているのだと、そ のときに悟った。 自分がお金儲けをしたかったり、自分が得意なもので、食べて生きたいからと いう理由だったら、ふーさんはマドンナになっていなかったろう。自分が大切 にしている人を支えていくために、もっとも相応しかったのが、ITを使った起 業だったし、制約条件があったから、エンジニアを大切にしたし、守ってきた のだろう。 そして、IT業界の若者もオツなあだ名をつけるものだなと思った。 西山 浩平 Linkedin : Kohei Nishiyama Twitter : Kohei Nishiyama ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第7回:印 design(インデザイン) 印デザインを始めて、今年で8年目を迎えようとしています。 2人の人間が一緒に何かを作りたくて集まり、あっと言う間に長い時間が過ぎ ました。 自分達の顔となる「hoop」(丸形蛍光灯を使った照明)を2年間かけて製作し、 初となる展示会に出展するために「印デザイン」と言う名前をつけました。最 近ではすっかり某社のアプリケーションと良く間違えられますが、定着しつつ あります。 今は大きく分けて2つの方向性で仕事をしています。委託デザイン業務と、自 ら商品開発を行い販売するということ。委託デザイン業務と自社商品開発は一 見すると全然違うと思われますが、やっていることはほぼ同じ過程になります。 ○自分たちの商品開発 商品の企画からどんな形状のデザインにするか。ここまでは委託デザイン業務 と変わらないかもしれませんが、設計や量産を考えたりどうやって発表して売 るのかを考える。今まではクライアントがしていたことを自分たちで行うこと で、数年前では考えなかったことが次々と出て来ている状態です。 商品を売る営業がいるわけでもなく、商品を設計する人がいるわけでもなく、 量産とクラフトの間で商品を作り続けている状況です。1つひとつ自分たちで 身をもって体験することで学ぶことがたくさんあります。それでも委託デザイ ン業務と違った喜びがあります。もちろん両者ともお客様に喜んでもらえる点 は同じですが、自分達で1から10まで手がけた商品が売れた時の喜びは、とて も大きいです。同時にあまり売れない商品がどういったモノなのかが分かりま す。 ○いつも身に付けたくなる、使えるグッズを メーカーでは思いつかないアイデアやデザインを自分たちで形にする。形には 説得力があり、見てくれた方は覚えてくれます。かれこれ6年前に製作した 「hoop」も同じで、今も知り合いのデザイナーの方に会うと挨拶がわりに 「hoop」の話が飛び出します。そんな何気ないことですが、自分たちにとって 嬉しい瞬間でもあります。 最近では扇風機や照明器具など、プロダクト製品のデザイン委託業務を中心に 行いながら、自社商品開発の経験も積みました。自社商品は「日常生活でいつ も身に付けたくなる、使えるグッズ」をコンセプトに開発を進め、今年2月に 「Sensu」と「Key Case」をトレードショーで発表しました。 「Sensu」は今までにない柔軟性のあるポリプロピレンで製作し、曲げても水 に濡れても大丈夫。暑い時には扇子で仰ぐだけで皮膚の表面温度は1度近く下 がると言われています。「KeyCase」はゴムの収縮を利用して、ひっぱるだけ で鍵の出し入れができます。普段は鍵を収納し、使う時に取り出してください。 あまり使わない鍵は収納し、よく使う鍵だけ出しておく使い方も便利です。鍵 やキーホルダーの金属部分で周りの物を傷つけてしまったり、じゃらじゃらと 音が出ることもありません。また本体から出ているゴム紐には、本体に入らな い車の鍵やカラビナ等を取り付けることができます。 「Sensu」と「KeyCase」はビームス別注モデルとしてラインナップしています。 http://shop.beams.co.jp/shop/bpr/goods.html?gid=1490069 12月には新商品として「keyHolder」をリリース開始します。 http://store.indesign.jp/ 今後はデザインとメーカーの狭間で、新しい形や色だけではなく、自らがすべ て責任をもってモノづくりをし、販売できるような環境を築きあげたいと考え ています。 印 design(インデザイン) 石井保幸 http://www.indesign.jp Onlinestore http://store.indesign.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●pdwebデザインコンペ2012のご案内 省略しました。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 「なくてもいいけれど、あれば便利なモノ」。世の中には、こう表現したくな るモノがいっぱいあるように思います。これは豊かさの象徴なのか、あるいは すでにあるモノが飽和状態なので、新しい市場を生み出すための必然なのか。 もちろんプロダクトの進化には肯定的ですし、これまでも、はじめは訳の分か らないモノたちが新しい時代を作ってきたのだと思います。では、新しいモノ のすべてに未来の種は入っているのでしょうか? すべてを受け入れるのでは なく、少しシビアなまなざしで、新しくデビューしてくるモノたちに触れてい きたいと思います。(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.31 2012年10月29日発行 2,700部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. 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