┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第87号・・・2017/6/23       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第87号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第63回:石井聖己/SEIKI DESIGN STUDIO ●編集長のミニコラム 「ガラス瓶のスピーカー」 ●編集後記 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第63回:石井聖己/SEIKI DESIGN STUDIO SEIKI DESIGN STUDIO代表の石井と申します。情報家電メーカーを退社して、 2017年より京都にスタジオを設けて活動しています。プロダクトデザインを主 体としており、独立してからはIoT製品やAI関連の案件を多く手掛けています。 このコラムでは実際の事例を通して、最近考えていることをお伝えできればと 思います。 ○まごチャンネル 最近私が手がけた製品として、まごチャンネルというプロダクトがあります。 これは情報格差がある世代間をつなぐ、ファミリー向けのサービス&プロダク トです。実家と別居している核家族をターゲットとしており、離れて暮らす実 家のTVにこのデバイスをつなげるだけで遠隔地のスマホから簡単に孫の写真や 動画を届けることができるという製品です。 ポイントとしては、祖父母はいつも通りにTVのリモコンで操作するだけで、ス トレスなく写真や動画の受け取りができるということです。デバイスにはSIM が内蔵されておりWi-Fiにつなぐ必要もありません。コンセントに電源を差し 込み、HDMIでTVにつなげるだけで受信を始めることができます(電源ボタンも ありません)。 ここまで使い勝手に徹底したのは現状のユーザー観察から多くのことを学んだ からでした。というのはよくiPadを祖父母にプレゼントで渡しても結局使いこ なすことができずにしまい込んでしまっているという話をよく耳にしました。 理由はさまざまですが、バッテリーが切れているのに電源が入らないと勘違い する、Wi-Fiが切断され再接続ができない、アプリを消してしまい再インスト ールができない、などなど、さまざまなタスクが積み重なり、結局使わなくな るというケースが多いということでした。そこで祖父母にとってTVというもっ とも慣れ親しんだデバイスに注目し、TVのスマホ化を目指したのがこのまごチ ャンネルです。こうした不便さを丁寧に取り除き、突き詰めた結果、まごチャ ンネルは47都道府県すべてに展開され、最高齢のユーザーは100歳を超える方 もいます。超高齢化社会という市場において、現在も予想を上回るペースでシ ェアを広げています。 ○Everyday things and the IoT もう1つ最近の取り組みをご紹介します。日常とIoTというテーマとした、 Everyday things and the IoTというワークショップを企画し、アーツ千代田 3331にて展示会を行いました。学生から社会人までデザインに関係する方々に 参加していただき、さまざまな視点や課題からテーマに沿ってプロトタイプの 制作まで取り組んでいただきました。IoT製品というと、生体情報を集めた目 覚まし時計や、服装のアーカイブを行ってくれるデジタルミラー、または失く しものを防ぐGPS付きスマートタグなど、さまざまなものがあります。しかし、 それらは確かに便利ではあるけれど、生活の“豊かさ”について語られことが 少ないということが気になっていました。本当に我々の生活に必要なものかど うか、テクノロジーありきでアイデアを考えてはいないだろうか、改めて Everyday thingsというキーワードを投げかけ、私たちの生活に寄り添うとは どういうことだろうかということを考えてもらいました。 ちなみに私が提案したのは「KITTE MAND」というアイデアです。これは、切手 のフォーマットはそのままに、自分で絵やサインを書きこんで切手を作ってし まうもので、筆跡の唯一無二性と、高精度画像認識技術を利用しています。手 書きの手紙やちょっとした贈り物をすることに体験価値が高まる中、不明瞭な 配送料や細かい金額の切手が手元にないなど従来の切手の煩わしいところを改 善しています。使い方は白紙の切手に好きなイラストやサインを描き、それを KITTE MANDアプリケーションで撮影し、送付先、サイズ、支払い方法を記入し 登録を完了させます。郵送物にはその切手を貼りポストや郵便局にもち込むと、 配送料金が確定されアプリ側に確認依頼が届き、承認を完了すれば配送が開始 されます。アプリ側では随時追跡が可能となり配送が完了すればその切手のデ ータは破棄されます。また送付物に住所や氏名が描かれないためプライバシー のセキュリティ向上にも貢献するというアイデアです。これからは財布などに 白切手を忍ばせておき、送りたいものにさっと貼って送ることが出来きる時代 が来るかもしれません。 ○テクノロジーと人間性 コンピュータやセンサーの性能が飛躍的に向上し、誰もが常にインターネット につながっているようになりました。これからの時代、どういったサービスや 製品を考えていくべきでしょうか。私はその礎には、生活や人々の営みに対す る深い造詣、また身体的感覚がとても重要であると考えています。UXデザイン とはよく言われますが、まずは、自己における喜びの感度を高め、それを具体 的な言語に昇華させ、サービスや製品として他人に提供していく。この一連の 流れをテクノロジーありきで考えるのではなく、自己の感覚に忠実に発想して いくことが大切であると、さまざまなプロジェクトを通して実感しています。 まさに私たちは今、テクノロジーに人間性が試されており、これからは思いや りやおもてなしの精神がより一層重視される社会になると考えています。 私も、迷うことはしょっちゅうですが、最後は自分の感覚と思いやりの精神に 立ち返って制作していければと思います。 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。 石井聖己 SEIKI DESIGN STUDIO http://www.ishiiseiki.com/ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集長のミニコラム 「ガラス瓶のスピーカー」 口径8センチくらいのフルレンジスピーカーが2つ余っていたので、それを100 円ショップで買ったガラス瓶の蓋部分に合わせて乗せてみた。スピーカーユニ ットとガラス瓶の間は隙間テープで埋めた。いわゆる密閉型のスピーカーだが、 ガラス瓶の中には吸音材も入れず透明のまま。アンプも介さず、スマートホン のヘッドホン出力からダイレクトにつないでみたところ、思いの外良い音がし た。ベースやバスドラの音など低音もしっかり鳴っていて、BGM用には十分使 える。 同じようなことをしている人がいないかとネットで検索してみたら、もっと本 格的な人はやはりいて、スタンドまでしっかり作りこんでいたり、ガラス瓶の 代わりにワインボトルを利用する人も。こういった自作物は自己満足が優先さ れるので音質追求派には向かないだろうが、低域がより豊かになるかどうか、 次はもう少し容量の大きなガラス瓶で鳴らしてみたいと思っている。 森屋義男/pdweb.jp編集長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 ○タブレットで仕事もできるようになってきた。iOS、Android、Windows、3つ のプラットフォームのタブレットを使っていたが、自分にとっては、やはり iOSがベストかもしれない。WindowsタブレットはPC環境をそのままモバイルに 最適化しようとしているが、外付けキーボードを付けてノートPCとして使いた くなる。Androidはホビーで使うには楽しい。iOSはあくまで指やペンで操作す るモバイルOSとして進化してきていて、その上で実践的なアプリケーションが 充実してきた。クリエイティブもビジネスも、iOSであれば仕事もなんとかで きる局面も増えてきている。それにしてもiPadとAndroid、Windowsタブレット の価格差が大きすぎるのがネックかな。(M) ※pdwebではバナー広告などを掲載していただける企業を求めています。 お申し込み(お問い合わせ)メールアドレス→ info@pdweb.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.87 2017年6月23日発行 3,000部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. All Rights Reserved ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛