┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥       pdwebメールマガジン第56号・・・2014/11/25       編集制作:pdweb.jp編集部 http://pdweb.jp ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ● pdwebメールマガジン第56号 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第32回:菊池光義/スタヂオスルメ ●編集長のミニコラム 「リアルタイム自動翻訳システム?」 ●編集後記 ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●リレーコラム:若手デザイナーの眼差し 第32回:菊池光義/スタヂオスルメ はじめまして、スタヂオスルメの菊池光義と申します。普段は家具や電化製品、 インテリア小物や雑貨などのプロダクトデザインのお仕事を主に手掛けていま す。2012年4月に埼玉県川口市にて活動をスタートし、翌2013年にインテリア ライフスタイル展にてヤングデザイナーアワードを受賞、その副賞として今年 の2月にドイツのアンビエンテに出展し、そのまま流れるように4月に東京都台 東区の台東デザイナーズビレッジに事務所を移転しました。 活動を始めてまだ日も浅いのですが、ご縁もあり今回このような貴重な機会を いただきましたので、モノづくりに対する考え方についてお話できればと思い ます。拙い文章ではございますが、最後までご覧いただければ幸いです。 ○無理のないモノづくり デザインをする上でいつも頭に入れて考えているのが、「無理のないモノづく り」についてです。どんなモノでも市場に並ぶまでには、たくさんの工程とた くさんの人の手を介しながら、長い道のりを経ています。たとえ小さなモノで も、裏側で苦労と手間を積み重ねて、たくさんの人がつながることによって生 み出されているのです。そんなモノづくりのつながりのどこかに少しでも無理 があると、そのしわ寄せは必ずどこかにやってきます。例えば僕たちデザイナ ーにとってのPCの画面上の些細なワンクリックが、もしかするとどこかの工程 のどこかの職人さんの、物凄い苦労につながる可能性もあるわけです。 単にモノのカタチをデザインするだけでなく、そんなモノづくりのサイクルの 中で少しでも無理がないカタチをデザインできるよう日々仕事に取り組んでい ます。まだまだ理想にはほど遠いかもしれませんが、少なくとも、モノづくり の現場のことをきちんと考えることができるデザイナーでありたいと常々考え ております。 ○モノと人との関係性 デザインの切り口としてまず最初に考えるのが、「モノと人との関係性」です。 ほとんどのモノは人と関係することを前提として生み出されています。ペンだ ったら人が書くこと、椅子だったら人が座ること、時計だったら人が眺めるこ とが前提として作られています。デザインを手掛けるときは、そんな関係性を 少しだけ違った角度から見ることから始めます。違った角度から見るというと なんだか大げさな気がするのですが、とても単純なことで、モノをしばらくの 間じっと眺めてみるだけでよいのです。そうすると当たり前だったことがなん だか違った風に見えてきます。そんな”違い”に少しだけデザインを加えてや ることで、単なるモノと人との関係が別の意味を持つようになってきます。 弊社の過去の作品を例に出して説明させてください。例えば「Shippo-chair」 は椅子の背もたれをしっぽのカタチに見立ててやることで、人が椅子に座って 背もたれに寄りかかるとしっぽが生えて見える作品です。これは幼児のために デザインした椅子なのですが、幼少期というとさまざまなものごとに多感な時 期です。いろいろなことに興味を持って、それを知識としてすごい早さで吸収 する。そんな大事な時期だからこそ、この作品に触れることでモノの見方を変 えることの面白さを体験してもらいたい。この作品にはそんな思いを込めて制 作しました。 もう1つ例を挙げると、「Perch clock」は定期的に交差する掛け時計の時針と 分針を「昆虫」と「植物」に見立ててやることで、単なる針の交差が「植物で 休憩する昆虫」という物語性を持たせた作品です。普段だったら掛け時計は時 間を知るための道具です。僕なんか特に時間に追われることが多いので、大抵 時計を見るときは急いでいることが多かったりします。そんな急いでいるとき に見上げた時計で、ふと昆虫が植物にとまって休んでいたら、ほんの少し気持 がやすらぐと思うのです。時間に追われることが多い現代だからこそ、もう少 し肩の力を抜いてみようよ。この作品にはそんなメッセージを込めて制作しま した。 こんな風にモノと人との関係を少しだけ角度を変えて眺めてやることで、そこ に”驚き”や”ユーモア”が生まれ、そしてモノと人との関係がずっと深い意 味を持つようになります。普段見慣れてしまっているモノにこそ、あっと驚く ようなアイデアの素が潜んでいるかもしれません。そんな「モノと人との関係 性」を切り口に、いつもデザインに取り組んでいます。 ○最後に 右も左も分からない状態で独立してから2年半ほど。ようやく仕事にも適度な 余裕が出てきて、自分自身の活動を客観的に見ることができてきました。スタ ヂオスルメ、実にへんてこな名前です。笑 自分たちのモノづくりに対する想 いをより多くの方に伝えるために、事務所のあり方も含め、改めてじっくり見 つめ直してみようかと考えています。もしかすると来年のはじめころには、新 しい事務所としての姿を皆さまにお披露目できるかと思いますので、頭の片隅 にでも入れておいていただければ幸いです。 最後まで読んでいただきありがとうございました。 菊池光義 STUDIO SURUME ディレクター&デザイナー http://studio-surume.com ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集長のミニコラム 「リアルタイム自動翻訳システム?」 人と気軽に楽しみを共有できる表現は、写真と文章以外ないのかもしれない。 絵は描ける人が限られるし、動画や音楽は見たり聞いたりする時間が必要で、 作る側にもそれなりのスキルが求められる。その分写真に比べて一歩踏み込ん だ表現やコミュニケーションは可能になるが。 ここ10年で普及したSNSは、当初はテキストによるコミュニケーション中心だ ったが、今ではカメラ内蔵スマートフォンによって、写真中心のコミュニケー ションになった。さて、次は何が来るのか考えてみた。 個人的には「リアルタイム自動翻訳システム」に期待している。これにより、 個人レベルでのグローバルなコミュニケーションが可能になるからだ。 例えば、私がランチの写真と感想を日本語でSNSにアップすれば、それが、欧 米やアジアなど世界中の人たちのスマートフォンやPCの画面に、各国のネイテ ィブな言語で表示される仕組みがあればいいと思う。世界中で個人レベルで楽 しみを共有できれば、世界はもっと身近になるし、平和になっていく気もする。 これまでのように英語を用いれば、ある程度コミュニケーションは広がる。で も人が言語に合わせるのは、それしか方法がなかった時代だったからだ。これ からのITテクノロジーは、世界中の人をつなぐ役割を担ってほしい。 無理やりプロダクトネタに落とし込むとしたら、あと10年くらいの間に、そん なスマートフォンやPC、あるいはもっと新しいコミュニケーションデバイスが 誕生すればいいなと思っている。 森屋義男/pdweb.jp編集長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■○■pdwebメールマガジンでは広告のご利用をお待ちしています。■○■ イベント/セミナーの告知や集客、新製品のご案内に。臨時増刊もあります。 ■○■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。料金:1行6,000円〜。 ■○■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ////////////////////////////////////////////////////////////////////// ●編集後記 今年もあと1ヶ月ちょっとですね。ラストスパート、がんばりましょう!(M) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■取材・執筆・DTPデザイン・印刷物納品を行います! カラーズ(有) ■企業のユーザー事例、パンフレット、Webコンテンツなどの制作を行います。 ■お問い合わせはinfo@pdweb.jpまで。お待ちしています。■■■■■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ pdwebメールマガジンNo.56 2014年11月25日発行 3,000部配信 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   pdwebメールマガジン登録変更および解除のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※このメールに返信はできません。配信アドレスの変更や停止を希望される 方は、pdweb.jpのトップページ右側の登録フォームにて操作をお願いいたし ます。 http://pdweb.jp ┏…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┓ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥   編集・制作:pdweb.jp編集部   〒151-0071 東京都渋谷区本町1-20-2-909 カラーズ有限会社   お問合せ先 info@pdweb.jp   Copyright(C) Colors.,LTD. All Rights Reserved ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ┗…・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・…┛