moviti/片山典子
1964年神戸生まれ。京都市立芸術大学卒業、東京でインハウスデザイナーとしてパーソナル機器のプロダクトデザインや先行開発に携わる。デザインの師匠である同業のオットと2人暮らし。2005年から“デザインって何だ!”と称してノンジャンルで自主活動展開中。最近はフリークライミングとバスケットボールの“大人部活”と旅行にはまっている。2010年から本格的ソロ活動(離婚じゃなくて独立)開始。
http://moviti.com |
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毎日震災のことは気になりますが、自分の平常も取り戻しつつ、夏へ向かいます。
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縁あってJICA九州のフェアトレード振興活動「チャオカオ」のイベントで使うあかりをデザインさせていただきました。波佐見で活動しているナカハラマキさんと窯業センターとの協働です。5/21長崎市美術館で行います。
http://chaokao.org/
もともとは「きれいなかたち」の追求として、陶器の焼成時に自然に変形するひとつひとつ異なるゆがみ「やきなり」の美しさを工場生産プロダクトで表現できないか、というのが起点でした。一方タイの山岳4民族の伝統的民族衣装はそれぞれ手仕事の美しい模様が特徴です。試行錯誤の後、高透光磁土のあかりの表面にその伝統模様を凹凸でつけました。点灯時に白いシェードに陰影の山岳民族の模様が浮かび上がります。模様が焼きなりの曲面に刻まれたようすが雪だまりに模様の型を押しつけたようです。120灯ほどあかりが並んだエントランスロビーの階段で山岳民族のファッションショーが行われます。プロダクト/グラフィック/テキスタイル/環境/音と光が一体になる場になる、楽しみです。
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伝統の模様を3DCADの凹凸に還元するプロセスは新しく伝統を解釈、リミックスするようで新鮮だった。長い時間の中で洗練され刺繍やアップリケで表現されてきたパターンをデジタル経由で白く堅い陶器に置き換える。規則性や完成度をなぞる面白さ。
世界各国には美しい伝統工芸技法がある。例えばもともと衣料の補強として刺し子が発生したのだと思う。機能だけで補強するなら不必要、でも綺麗だと思うから作ってしまう。昔から伝わる模様にはすごくパワーを感じる、美しいものを創りたい本能に根ざし、時間をかけて洗練伝承された人の美意識のグローバルな強さを感じる。刺繍や染め、アップリケ、配色の美しさはいろんな国のいろんな地方で作られているのに共通性を感じる。
津軽こぎん刺しなんて北欧や東欧の刺繍みたいだ。ちなみに「フォークロア クロスステッチ」で検索すると、同時多発的にいろんな国で同じ手法の手芸が発達しているのがわかるし、今も伝統の図案集が本として取引されている。地球の文化は面白い。
http://kogin.net/rekisi.html
模様とプロダクト。
いっときのケータイの柄バリエーション着せ替えのブームも納まったが、モノとグラフィックがしっくりきていないプロダクトも多かったと感じた。一方マルセル・ワンダースやヘラ・ヨンゲリウス、トード・ボーンチェのように模様とフォルムを一体にして世界観を創るデザインもある。
ロイヤルコペンハーゲンのMEGAは伝統のブルーフルーテッドパターンの一部を拡大してあしらうことで、プロダクト自体の白くて凛とした素材感やフォルムを引き立てている上に、柄自体のクオリティの再発見やブランド自体の再認識をさせている。
https://www.royalcopenhagen.jp/goods_list/goods_list_2.php?called=category&vctg_no=i117
https://www.royalcopenhagen.jp/goods_list/goods_list_2.php?called=category&vctg_no=i121
ファッションとプロダクトを地続きで語るのは難しいかもしれないが、最近の買い手の一般の人の方がデザイナーより自由に柄やグラフィック/伝統を新しいモノに盛り込むこと親しんでいるように感じる。和柄や藍染めつながりでジーンズに合わせたり。
「日本民藝館へいこう」という本の中で現代の生活と民芸について語られているくだりに「文様のありなし」と率直に述べられていた。当たり前だけど模様はモノの姿に非常に影響を与え主張する。模様が強いとモノ自体の個性が際立ち暮らしの中に取り入れて使うには重すぎる。
モダンデザインの中で模様はだんだん排除されていき、素材自体のマテリアル感にクローズアップされてきた現在。と考えるとなんだか合点がいく。一方模様もコントロールの仕方、色や技法を変えることで新しいプロダクトの姿を作ることができ、大量生産から離れ、オリジナルを重視したクラフト寄りになってる嗜好のトレンドとも合っているんじゃないかと思う。
あまりにストイックな無地や白ばかりだと息が詰まったり物足りなかったり、堅くていつまでもこなれない感じがする。無垢すぎる、マスターピースすぎるというか。模様や歴史の要素があるモノの方が持つ人選んだ人のにおいを感じやすい、カスタマイズやオリジナルを感じるのかも。ヴィンテージの洋服をファストファッションの服と混ぜて上手に着こなすみたいな粋がプロダクトで作れるといいなあと思う。
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